「フィクスドドライブフェイス脱落」(2006/05/25)

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2006/05/25に通勤快速のスカイウエーブ400で会社からの帰宅の途中、自宅まであと2km位の地点で突然、「ギョワーン」という音の後に「キーン」という音が聞こえた。何事が発生したのか良く分からず、バイクを道端に止めた。左手を見ると工事をやっているところがあって工事機器の動作音なのかな?とも思えたが、違うかもしれない、右手を見ると反対車線を見ると大きな工事車両が来るのが見えたが、大型の工事車両は走行中に甲高い金属音を出して走っているから、アレが音源かな?とも思ったが、通り過ぎて行っても音が小さくなっていく訳でもなかった。高周波音は伝達スピードが速いので、どの方向から音が出ているのかが判別し難い。
周りの人たちも何処から音がしているんだろうか、キョロキョロしている。
私がバイクを止めたのは、たまたま不動産屋の前だったが、その不動産屋のご主人と思われる人も「何事かな?」みたいな感じで表に出てきた。目が合ったので言葉こそ交さなかったけど、お互いに「何があったんでしょうねぇ?」みたいなアクションをした。

私も鈍いといえば鈍いのだが、ここにきて、「もしや?」と思い、スカイウエーブ400のエンジンを切ってみた。ら、周辺に撒き散らしていた金属音がピタリと止んだ^_^;、、、、「オレかよぉ」

周辺の人の大半は私が音源とは気が付かなかったが、不動産屋さんだけは確実に私が犯人であることを確認した筈。

エンジンを止めてから、バイクの状態を軽く目視確認しても、この段階では特に異常は見当たらず、再度エンジンをかけてみたら、例の金属音が、、、アクセルを開けてみたら取り合えず走り出したので、とり急ぎその場を離れたい、という意識もあって、そのまま帰路に着いた。最初のうちは音が煩い以外は何とか走れていたが、徐々に加速しなくなり、最終的にはエンジンはアクセルの開度に反応して回転は上がるが車体が前に進まない状態になったので、潔くバイクを押し歩く事にした。ら、駆動系からモクモクと白煙が出ていた^_^;

バイクが完全に前に進まなくなったのが自宅から760mの地点(MapFAN調べ)、そこからテクテクと自宅に向かって押し歩きながら、今回のトラブルの原因を考える、まあ、私以外の人でも取り合えず疑うであろう、消耗品と言ってもよい、Vベルトの磨耗=>切れ掛かっての最後の断末魔が異音の原因=>最終的にブチ切れて、車体を前に走らせる事が出来なかった。切れたベルトが変な形で駆動系パーツと擦れて発熱して白煙が出た。という推論。

自宅から210m地点(MapFAN調べ)、まで押してきてから、バイクをそこに置いて、身体一つで自宅に向かう。自宅までバイクを押して行かなかったのは210m地点から自宅までは「心臓破りの坂」があるので乾燥重量170kg以上の車体を押して登るのは確実に無理。

以前エンジンが焼き付いたKSRUを押して登って、エライ目にあった経験がある。

身体一つで帰宅して、ポリバケツにサービスマニュアルと以前交換した中古のVベルト、各種工具を入れて、バイクを放置してきた所まで戻る。駆動系のカバーを外すにしても、外装の一部を外さなくてはならないのでかなり面倒ではある。本来であれば道端で行う作業レベルは遥かに超えてしまっているが、バイクをここに放置する訳にもいかないので、頑張るしかない。

外装を外し、駆動系カバーを外そうかとしているところに、会社からご帰宅の奥様がアドレスV100で通りがかる。手招きをして呼び止め不足している工具を持ってきてもらうようにお願いする。

持ってきてもらった工具で駆動系のカバー(プラスチック)を外すと、あちらこちらが熱で溶けている。外側のプラスチックカバーを外した後にはインナーカバーとも言うべきアルミダイキャストのカバーが付いているので、こちらも外すが、外す前からこのカバーのドライププーリー周辺が変形&亀裂が入っている^_^;。

イヤーな予感。

アルミダイキャストのカバーを外してみたら、Vベルトは切れていなかったが、フィクスドドライブフェイスが外れて、外側に移動してアルミダイキャストのカバーに接触しながら回転したので金属音が発生し、発熱して白煙が上がった、という訳だ。

フィクスドドライブフェイスはクランクシャフトに24mmのナットで固定されている筈なのだが、カバーを外して駆動系ケースの中をどんなに探しても24mmのナットは見つからない。駆動系ケースには通風孔が空いているが、ナットが外れた後にケース内を暴れた末に通風孔から排出されたのかもしれない。

が、しかし、24mmのナットでフィクスドドライブフェイスを固定しないと、自走で自宅まで運べない。。。

ベルトも切れておらず、フィクスドドライブフェイスはアルミダイキャストのカバーと接触して外側のフィンこそ削れてはいるものの、ベルトと触れる面には大きなダメージが無いので、取り付けなおせば自走は可能なのだが。。。。

嫁が、「私の乗ってきたアドレスV100でウチに行って、ガレージに24mmのナットがあるかどうか探してきたら」という。流石に24mmなんて大きなナットはジャンク箱の中でも見かけた事はないし、、と、思いながらも、一旦嫁のバイクで自宅に行って、ガレージ内を探す。が、予想通りに24mmのナットは無い^_^;。

ここであらためて冷静に考える、何でもいいから一時的に代用できるもので良いから何か無いかと、しばし目を閉じて考える。「あっ」っと、GSFのスイングアームの取り付けナットが確か24mmだったと思いついた。早速GSFから24mmのナットを外し、スカイウエーブがエンコしている場所まで戻る。GSFの24mmのナットは本来スカイウエーブに取り付けられている物よりも高さがあって、セルフロックタイプであるが、臨時にフィクスドドライブフェイスを固定するには必要充分で早速フィクスドドライブフェイスを取り付けてセンタースタンドを立てた状態でエンジンをかけ、エンジンを吹かして駆動系の動作を確認すると、走れそうである。

取り外した外装パーツや工具類はスカイウエーブのシート下の収納スペースとトップケースにしまって(キャパが大きくていつも助かる)、自宅まで自走で辿り着く。

この日は、こんな大き目の故障があり、災難ではあったが、機転を効かせてGSFのスイングアームの取り付けナットを思い出せた自分は少々エライなぁ、等と思ったりした^_^;

スカイウエーブをガレージの奥にしまい、修理待ちの間、GSFが通勤快速になるので、ちゃんとスカイウエーブから24mmのナットを外してGSFに戻しておいた。

因みに、今回、緩んで外れた24mmナットは以前、Vベルトを交換する際に、私自ら手を掛けた場所であり、未だに作業ミスをしたという心当たりも無ければ、ベルト交換から多分数千キロ以上も走行している。また、今回このような問題が起きたから、という訳でもないが、薄めの24mmのナットだけで良いのだろうか?ネジロックの指定も無かったと思うし、ナットもGSFのスイングアーム取り付けナットのようにセルフロックタイプでもない。

今回の故障を修理するに当たり、セルフロックタイプのGSFのスイングアーム取り付けナットを使うというのもアリかもとも思えるが、ナットの背が高すぎて、肝心のセルフロックの機構が取り付けシャフトのネジ山が切ってあるところまで届かないのである。真面目に探せば背の低いセルフロックタイプのナットはあるのかもしれないが、、、、、

それにつけても、ようやくGSFの再生プロジェクトが終わろうとしていた矢先に、もう一仕事転がり込んでくるとはなぁ。。。

仕事が減らないねぇ。

アルミダイキャストのカバーの内側の写真。外れたフィクスドドライブフェイスが回転しながら押し付けられた状態になっていたので、擦れた上に裂けてしまっている。
これが外れたフィクスドドライブフェイス。フィンがかなり削れています。

フィクスドドライブフェイスの反対側の面。ベルトだけが空回りした跡がある。
駆動ケースのエアフィルタ取り付け部。プラスチック製なので、熱で融けてしまっている。

スポンジのエアフルタが付いていた筈だが、デロデロに融けています。んっ?

よーく、見てみると今回の問題の原因の24mmのナットが融けたスポンジとプラスチックの中に潜り込んでおりました^_^;。

新しいフィクスドドライブフェイスを取り付けた写真。結局熱によりVベルトも側面が融けていたので、こちらも新品に。

アルミダイキャストのカバーも亀裂が入っていたので交換。

外側のカバーも熱で融けていたので、新品となりました。
外装を取り付けて、作業完了。

 

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