「JOG(3KJ)オイル漏れ修理」(2009/05/31-2009/09/27)

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5月のある日、会社の喫煙室でタバコを吸っていたら、知り合いのAIZWさんから、原付の名義変更の方法について質問された。
一通り、私の知っている限りの名義変更手続きについて伝えた後、事情を聞いてみると、今まで乗っていた原付のオイル漏れが激しく、知人から別の原付を譲ってもらったから、それを名義変更したいとの事だった。
オイル漏れくらいなら、、、、と、私は思い、「多分直せると思うよ、時間が掛かっても良くて、催促無しなら預かるけど、、」と、オファーした。
集中した時間が取れるなら、そんなに時間は掛からないと思うが、子供が2人もいると、なかなかガレージ仕事の時間が作れないので、「いつまでに」という期限付きのお仕事を引き受け難い状況であるからね。

その条件でも良いという事だったので、このお仕事をお受けした。
5月31日に、AIZWさんに自走で「GARAGEささを」まで車両を持ってきてもらった。
なるほど、自走後にバイクのスタンドを掛けた状態で、タラタラと結構な量のオイルが漏れている。

「GARAGEささを」の居住区でAIZWさんと軽くお茶をしてから、自動車でAIZWさんを自宅まで送っていき、帰ってきてから、バイクの様子を見てみると、地面のオイルのシミは大きくなっておらず、静止状態ではオイルは漏れていないのか?と思えた。

 

(2009/06/01)

翌日6月1日はとある事情(全社禁煙デー)があったので、珍しく計画的に有給休暇を取っていたので、手付けの作業をする事にする。
整備の基本は洗車から、ということで洗車から始める。特に今回の車両は車体そのものはそんなに汚くは無いが、オイル漏れのお陰で車体の下回りがオイルでベタベタに汚れておりましたので、一旦この辺を綺麗にしないと、どこからオイルが漏れているのかすら確認できそうにありませんでしたので。
シート下の足元にエンジンオイルタンクにアクセスする為のカバーがありましたのでコレを外してみると、オイルタンクやキャブレター周りもオイルでベトベトになっておりましたので、このカバーを空けた状態でケルヒャーの高圧洗浄機で泥と化したオイルを飛ばします。
1回目の洗浄後、、、、ケルヒャーの高圧洗浄機をもってしても、この程度。
下回りもギトギトです。下回りは何故かエンジン周辺だけでなくステップボードの下辺りも、かなり油汚れが酷かった。
マフラー周辺や強制空冷ファンのダクトもギトギトです。
2度目の洗浄でようやくオイルタンク周辺がココまで綺麗になりました。
油汚れはシツコイ。
「GARAGEささを」の定番のマジックリン&ケルヒャーの高圧洗浄機でもこの程度。

これほど厚みのある油汚れには、マジックリンではなく、水とも油とも親和性の高いCRC-556を吹付けて高圧洗浄機で吹き飛ばすという裏技を使うべきだったと若干後悔する。
キャブレタ周辺も一応、コレくらいまでは綺麗になった。
この車両の走行距離1689.4km。
オーナーいわく、多分メーターは一周しているでしょう、との事。
この車両は今のオーナーが新車購入したものではないそうな。
ざっと、車両の現状を点検してみましょう。

フロントカウルとインナーレッグシールドの勘合が悪い。
インナーレッグシールドとステップボードの勘合も宜しくない。
フロントブレーキシューは、まだ大丈夫そう。
ウゲッ!!
リアのブレーキシュー残量を見ようとしたら、洗浄漏れ(~_~;)
リアブレーキシューは、そろそろ交換時期か。
まだまだいたる所に洗浄漏れがあります(~_~;)
飛び散る油汚れ。
この日、更に洗浄を致しました。
んで、この日の洗浄終了後に、オイル漏れをチェックしてみたら、特にオイル漏れはしてなさそう。
一旦、エンジンをかけて、2〜3分様子を見てみると、写真のようにオイルが漏れてきた。

と、言う事は、普通に考えればオイルの経路は「オイルタンク」=>「オイルポンプ」=>「キャブレター」(正確にはマニホールドか)ですから、エンジンがかかった時だけオイル漏れを起こすという事は「オイルタンク」=>「オイルポンプ」の経路ではなく、圧力の掛かる「オイルポンプ」=>「キャブレター」でオイル漏れが発生している可能性が高いという事でしょう。
「オイルポンプ」=>「キャブレター」の経路のチューブの損傷か?、オイルポンプそのものの損傷か?オルポンプのパッキン不良か?。安価で修理してあげたいのでオイルポンプの故障だけは無しにして欲しい所です。
(2009/07/20)
写真の撮影日のデータを見るとココからの何枚かの写真は、2009/07/20撮影となっている。
車両を預かってから1ヶ月と20日も経っている。。。忙しかったんだねぇ、、、わたし。

で、その写真の内容といえば、確信に迫るトラブルシューティングではなく、車両の状態チェック。
何をしているんでしょう、わたし。

リアのカバーの勘合もあまり、ビシッとしていません。

左側も同様ですね。
キャリア取付け部周辺のカバー類の勘合もイマイチです。
シートの表皮に若干の傷あり。
こういうのも、「染めQ」とか使えば直るんでしょうね。私は関心は有るものの、まだ一度も「染めQ」を使った事がない。
フロントカウルのあちこちに、擦れ傷あり。
コンパウンドで落ちるレベルかも知れない。
  オイルタンクにアクセスする時に外すカバー周辺も細かい傷が多い。
足が頻繁に当たる場所のようですね。
磨けば、それなりにはなりそう。
リアのカウルも小傷が多いですね。
こんな擦れキズも。。。
って、この手のキズは、擦った時に相手の色が付いただけの場合もあるから、コンパウンドで擦れば落ちるでしょう。

 

ヘッドライトカバーは以前に塗装を修復した跡が、、、まあコレは修復の塗膜が弱そうなので鏡面仕上げのワックスで撫でる程度しか出来ないですね。
リアブレーキレバーの引きしろ多し。
フロントブレーキはこんなもんでしょう。
後ほど、フロントとリアのレバーの引きしろを揃える様に調整しましょう。

 

この車両の結構重大な欠点はシートを固定する前2箇所のヒンジのウチ右側が破損している事。
よく診ると左側のヒンジもクラックが入っており、このままでは時間の問題でこちら側も破損してシートを固定できなくなってしまうであろう。
後ろのロック機構だけでも固定は出来るかもしれないが不便でしょう。
何とかしてあげられないかと、タイラップでこんな事をしてみましたが、全然駄目でした(~_~;)
この部品はシートを固定するヒンジとメットインボックスとバッテリーを搭載するケースとして一体化された成型品安くは無いだろうな?とは思いながら見積を取ったら、\9370と、やはり高価でした。
が、しかし、このままにする訳にもいかないので、ネットオークションでメットインボックスを探す事にしたら、この年式の3KJのJOGのメットインボックスはタマ数が少なく、探すのに若干苦労したが、何とか見つかった。
1000円くらいからスタートだったが競争相手が現れ金額が上がっていき2650円で落札、送料735円、振り込み手数料210円の計3595円にて中古のメットインボックスが手に入った。

ここで一旦エンジンをかけてみる、下回りをある程度洗浄したから、オイル漏れの患部が分かるかもしれないと思ったが、オイルは漏れているところから、その周辺を伝わって垂れているみたいで患部の特定は出来なかった。
「急がばまわれ」って、今回は急がなくても良いのが条件ではあったが、やはり、楽をして結果を得ようとしては駄目ですね。謙虚な気持ちで作業をしなくては。
ハイハイ、バラしましょう。バラしましょう。
最低限、「オイルタンク」=>「オイルポンプ」=>「キャブレター」の経路が全て確認できるくらいまでバラしましょう。
キャリアを外します。
メットインボックスのインナーを外します。
リアのカバーも外します。
このリアのカバーは前の方の取付けビスが付くところ2箇所のうち左側が割れて欠損していました。
でも何故かビスだけは、ボディー側に締めこまれていた。
後ろがドンドン裸になっていきます。
いよいよメットインボックスを外すのですが、、、
燃料コックがメットインボックスに固定されている。以前他の年式の3KJのJOGを出張修理した時は確かフレーム側に燃料コックが付いていた筈。
(どうも、ヤマハの場合は3KJとかの型式だけでは、本当の意味の型を表していないようで、何年型の3KJという表現をしないと、特定の型式を指せないようです)
燃料コックとかは固定するならフレーム側の方が自然な気がする。

この燃料コックを外しまして。

バッテリーも外します。
その他、ヒューズやら配線やらを外しまして、、、
ようやくメットインボックスが外れました。
大分、スッキリしてしまいました。    
   ステップボードも外します。
写真では分かりにくいですが、この辺も結構油汚れが付いています。
この季節のガレージ仕事での必需品です。
今季から導入した新兵器の筈なのだが、効果はイマイチ分からない、、、先日、ここに大きな蚊のような虫がとまっているのを目撃した。
死にかかったセミがガレージに侵入したりもしていたしなぁ。
強制空冷ファンのカバーも外します。
内側も油で汚れています。
強制空冷ファンの表はそんなに汚れていませんが、ファンの裏とか強制空冷のダクトはかなりベタベタの状態です。
「オイルタンク」から「オイルポンプ」へ向かうチューブ。
ここからダクトの淵に沿うように配管されオイルポンプへ向かいます。
コレがオイルポンプ。。。。。
汚すぎて、分からねぇ。。

 

「オイルポンプ」から「キャブレター」へ向かうチューブ。
そして、そのチューブがキャブレターに繋がってます。
(あっ、マニホールドじゃなくて、ちゃんとキャブに繋がってますね)
ここまでバラしてから、再度車体の洗浄を行います。
今度は水にも油にも親和性の高い、CRC-556を油汚れの酷いところに吹きかけて、油汚れを柔らかくします。
それから、高圧洗浄機で油汚れを吹き飛ばしました。
この作戦は結構上手くいった。
ここで更に、サブタンクから高圧洗浄機にマジックリンを吸わせての洗浄となります。
油汚れが無くなるまで何度でも洗浄します。

 

ここまでバラさないとガッツリとした洗浄は出来ませんものね。
あまり推奨できない要素もあるにはありますが、車体寿命のウチ1回あるか無いかの機会なのでヨシとしましょう。

 

オイルタンク周辺、、、綺麗になりました。
ステップボード下回りも何故か油まみれでしたが、綺麗になりました。
冷却ファン周辺、、も綺麗になりました。
高圧洗浄機の導入のお陰で、この手の洗浄作業は、随分と効率は上がっていると思う。

今回の洗浄が高圧洗浄機の導入以来、一番の汚れ物だったような気がします。
前出の写真では何がなんだか分からなかった、オイルポンプも、この通り見えるようになりました。
それにしても、他のスクーターとかと比べても、メンテナンスし難い場所に、オイルポンプがレイアウトされていると思う。
冷却ファンの裏ですものね。

 

タンクからオイルポンプへと立ち下がっていくパイプと、写真ど真ん中近辺にオイルポンプからキャブレターげ立ち上がっていくチューブが確認できます。
  オイルタンクから冷却ダクトの淵を通りオイルポンプへつながるチューブ、そしてオイルポンプからピックアップコイルの裏を通って、上に上ってキャブレターへ向かうチューブの全容が確認できます。
あらためてオイルポンプ。
下から入って上に行きます。
前出の写真で一回目の洗浄で漏れのあったコノ辺りも綺麗になりました。
この周辺が、あれだけ油汚れしていたという事は、走行中にリアタイヤにも油が飛んでいたのでしょうから、危険だったのでしょう。
オーナーが今まで転倒事故などを起こさなかったのが幸いです。
取り合えずかなりスッキリしました。
ここまで洗浄すれば、どこからオイルが漏れているのか?を確認し易くなりました。
一旦、ガレージの奥に移動して車体を乾燥させます。
「GARAGEささを」は、うなぎの寝床のような環境なので、どういう作業をいつどの辺で行うか?という計画性とフォーメーション変更が求められるのです。
コノ写真だと一見広そうに見えますが。。。。
ねっ、嫁が買い物から帰ってきて、自動車でガレージにフタをしてしまいました。
嫁のその日の行動パターンも事前に聞いておく必要があったりするんです。
車体乾燥の途中でバッテリーを仮組みして、エンジンが正常にかかる事を確認。
問題なし。
何だか洗浄ばかりしていましたが、車体洗浄し乾燥後に、今回の本来の修理依頼内容のオイル漏れについて、調べてみたら、コノ写真の部位からオイルが漏れておりました。
前述した総論では、エンジンをかけた時だけオイル漏れがしていたのだから、圧力の掛かる「オイルポンプ」=>「キャブレター」でオイル漏れが発生している可能性が高い、としておりましたが、結果は圧力の掛からない、「オイルタンク」=>「オイルポンプ」のチューブが裂けておりました。
エンジンがかかった時だけ、振動で、この裂け目が開いてオイルが漏れていた、という事です。
推測は外れてしまったが、金の掛かるオイルポンプ本体の故障でなくて良かった。
 
早速、YAMAHAのホームページで部品品番を調べて、いつもの「佐藤部品」に部品を注文しました。

 


(2009/07/27)

パーーツが届くまでの間、いつもの「ついで癖」が出てしまい。
半年くらい前に、雑誌で紹介されているのを見て買い置きしておいた「ハード25」を初めて使ってみる事にした。
自分の車で試した事もないのに、人の車両で実験?してしまうとは、私もそうとうワルよのぉ〜。。

 

中身は液体のボトルと塗布用のスポンジ。

未塗装樹脂に関しては、紫外線劣化などで白くなってしまい易い、これをポリメイトやアーマオールとか、ワックス系と言いますか、オイル系と言いますか、を、塗布すると場合によっては新品のような輝きが復活したかのように見える事があり、これはこれで良いのですが、雨などに対してとかの耐久性があまりありませんし、洗剤やパーツクリーナーで洗浄すると直ぐに落ちてしまい、わたし的には満足していなかった。

このハード25はガラス系のコーティング剤でワックス系のコーティング剤よりも耐久性が期待できる物。コノ手の製品が今まで無かったかというと、そうでもなく私もその存在を知ってはいたが、値段が高いのが難点で手を出していませんでしたが、このハード25は安価で1パッケージでたっぷりの量がありますので、良いと思います。
で、内側が油汚れでグチャグチャだった強制冷却ファンカバーと一緒にお風呂に入りガッツリと洗浄後の状態。
かなり白く表面が劣化しております。
そして、ハード25を塗布したら、、、おおおおっ、いい感じに艶も出て黒々してきました。
ついでにステップボードにもハード25を塗布しましたが、同じくいい感じになりました。
(2009/08/02)
そうこうしているウチに注文していた部品が到着。
180円のチューブです。
本来使用する長さより長いので、適切な長さに切って使用します。
ココが裂けていました。
オイルタンク側を先に繋げてホース内のエア抜きをしやすくしておきます。
パイプのクランピングツールなんて出番は少ないものの、あれば便利ですよね。
オイルポンプへエアーを噛まないように、先にクランピングツールを外してパイプの先端からオイルを流出させながらオイルポンプへパイプを接続します。
漏らしたオイルはパーツクリーナーで洗浄し、強制空冷ファンカバーを取り付けます。
このカバーがオイルタンクからオイルポンプまでのパイプをホールドします。
「ついで」にエアークリーナの点検。
エアークリーナーカバーを開けると、下の方にオイルの塊と水分が。。
水分は、私が行ったガッツリ洗車の影響であるが、オイルに関してはフィルターがいくら湿式とはいえ、こんなにオイルが溜まるはずは本来無い筈。
エアークリーナーの吸入口が強制空冷のダクトの方に向いており、おそらくパイプから漏れたオイルが強制空冷ファンで拡散され、それがダクトを通ってエアークリーナボックスがオイル混じりのエアーを吸い込み続けた結果、ここまでオイルが溜まってしまったのであろうと思ふ。
エアフィルターの下の方にもオイルがたっぷり染み込んでいるのが確認できる。
また、同じくエアフィルターの下の淵が、劣化して千切れている。
今回は交換しなかったが、交換するべき時期であろう。
エアフィルターのスポンジはガッツリ洗浄して、フィルター専用オイルを染み込ませて、固く絞って組み込んだ。    
  「ついで」に駆動系の点検も。
まあまあ綺麗なのでエアーで埃を吹いた程度に留めた。
本当は、ウエイトローラとかの点検もしたかったけど、駆動系は逆ネジとかの引っ掛け問題があるので、二次災害にならないように、余計な事はやめておいた。
ココまできたら、フロントカウルも外しちゃいます。  

 

インナーレックシールドも外して洗っちゃいます。
フロント周辺を外したら、汚れが見えてしまったので、またしても車体を洗浄しちゃいます。

ここからは「ハード25」の効能確認

塗布前↓
塗布後↓

プーリーカバーは表面の劣化が激しかった。
そのまま、「ハード25」を塗布したらこんな感じ。
わたし的に何となく気に入らなかったので、番手の高いペーパーで樹脂表面の劣化部分をある程度落としてから、再度、「ハード25」を塗布したらこんな感じになりました。
劣化が激しいところは、一皮剥いてからの方が仕上がりが良さそうである。
元々の樹脂の色が黒だったのねぇ〜、といった感じである。
「GARAGEささを」に買い置きの耐熱塗料があったので(何でそんなものまで買い置きがあるのか?とか問われそうですが、あるんですウチには。そのくせ必要なものが無かったりする事はしばしば)、塗装の状態が良くなかったマフラー塗装を「ついで」にする事にした。
写真には2種類の耐熱塗料がありますが、流石に何となくの買い置きだけあって銘柄は揃っていなかったりする。いずれも耐熱600℃という仕様である。
こんな感じで塗装していきます。
本当は「吊るし」ての塗装の方が良いのですが、吊るしの環境を直ぐに作れなかったので今回は「置き」での塗装としました。
今回は簡易塗装ブースを作らない代わりに、自動車の前面にブルーシートでカーテンを作り、ミストによる被害を避けました。
エキパイ部分は高熱になり塗装が痛み易いので、厚塗りしました。
塗装後、自然乾燥の後に、ハロゲンヒータで焼きを入れました。
写真はまだ片面しか塗装していない状態。
塗装前の下地処理の写真を取り忘れたが、いつもの錆取り剤湿布でサビを落としたら結構な範囲で塗装も剥がれた。
塗膜の下にも錆が侵食していたのであろう。

また、マフラーの塗装に関してはこの後反対側も塗装して改めてハロゲンヒータによる焼きを入れたのだが、前出の2種類の塗料の内、1種類がどうも熱特性が良くないみたいで、ハロゲンヒータの熱により火膨れが発生してしまった。
その後、ペーパーで火膨れを削り落とし、再度火膨れしない方の耐熱塗料で塗装したが、下地に火膨れする塗料が残っていたので、熱を入れると火膨れした部分が出てしまった。
うーん、急がば回れで、一旦、剥離剤を使ってでも塗装を全部剥がした方が良かったかもしれない、と後悔している。
(2009/09/22)
マフラーの塗装の件は何かしっくりこないけど、2度とあの銘柄の耐熱塗料は買うのはよそう。

で、ようやく車体の組立てに入ります。

マフラーもこうしてみると、一見ちゃんと塗装されているように見えますが、近くで見ると小さな火膨れがあるんです。
マフラーのヒートガードも取り付けます。
ヒートガード取り付けビスも、耐熱塗料で塗装しました。
こちらは火膨れしない方で塗装したので問題なし。
  リアフェンダー周辺を組み立てます。
ちゃんと、車両組立てのボルト類の組付けにはスレッドコンパウンドを塗布しました。
不要な雑誌を下敷きにしてボルトを並べ、スレッドコンパウンドを吹き付けるのは、某有名ショップの真似です。
スレッドコンパウンドって床(コンクリート)とかに付いてしまうと、落とすのが大変ですからね。
プーリーカバーとキックアームを取り付けます。
このネジがエンジンアースで、このネジだけが周辺とは異なり、ステンレス製が使われていた。
このネジに関しては、シルバーコンタクトを塗布しておいた。
スクーターのアースは弱いという印象がありまして。
本当はアーシングもしてあげたかったのだが、まだ残っていた筈のアーシングケーブルを見つけることが出来なかった。
まだ、こんな程度の完成度。
ステップボードとインナーレッグシールドを組み付けます。
この辺は、後の勘合調整があるので、仮組み程度です。
これが、ネットで落札した、中古のメットインボックス。

実はこの中古のメットインボックスに後ほど発覚する問題が、、、、。
既にこの写真で、その問題点は写っているのだが、私はまだ気が付いていない。
メットインボックスを実装します。
バッテリーの端子にもシルバーコンタクトを塗布しておきます。
電気抵抗さん下がって下さいね。
この、車両に元々付いていた、フロントカウルの取り付けネジは、フロントバスケットを取り付ける為のポストになるボルトがワッシャー無しで2本(ワッシャーが無いのでフロントカウルの穴の中で遊んでいるので固定には貢献しておらず)、もう一本はワッシャーは付いているものの、普通の平ワッシャーだったので、こちらは締め過ぎでカウルが歪む方向で力が加わっていた。

本来ココには、段付きボルトか、写真のような段付きワッシャを使うべき筈。

今回は、ガレージに在庫のあった(AddressV100用)の段付きワッシャにポジポリーニのネジ(一点豪華主義か?)でフロントカウルを取り付けた。
その他車体の外装組み付けに使用するタッピングスクリュはガレージに常時在庫しているステンレス製の物に交換した。

上がノーマル、下がステンレス製タッピングスクリュ。
バッテリの充電も行いました。
リア周りの外装の取り付けも完了。
大き目のキズや擦れ跡は、この段階でコンパウンドで落とせるだけ落としておく。
シートを取り付けます。

元々はこのヒンジが壊れていたのですから、ここが直った事によっての使い勝手はかなり良くなるでしょう。
シートを全開にするとこんな感じ。
かなりガバッと開くのは良いのですが、ストッパーらしいストッパーが無いし、ダンパーも付いていないので、ヒンジは壊れ易い構造かも知れないと思う。
メットインボックスの中古が、まあまあ安価で入手できて良かった、良かった、、、、なのですが。
バッテリーの充電も終わり、バッテリーにカバーを掛けようとしたら、、、ガーン!!

バッテリーカバーを固定する為に必要なタブが折れているのに気がついた。

バッテリーカバーは右側の穴をタブに引っ掛けて、左側をタッピングスクリュで固定するようになっているのだが、、、、。

で、タイラップで固定しました(ーー゛)。

ネットオークションの写真ではこんな細かいところまで確認できないものなぁ。。
気を取り直して?(見たくない物には目を瞑り?)
車体をポリッシュします。

大き目のキズや擦れ跡はコンパウンドで事前に落としていたので、ここではポリッシャーとワックスでガッツリと磨きます。

塗装のヤレ具合は、ちょうど磨き頃だったので、結構いい感じで磨けていると思います。
リアキャリアを取り付けます。
本当はこの直前のタイミングでポリッシュしたのは、リアキャリアを付けるとリアキャリア周辺のポリッシュがし難いからです。
 
  オイルタンクのカバーをつける前に、ガレージに若干残っていたZOILを入れておいてあげました。
リアブレーキのレバーの握り代が大きかったので調整しましたが、調整ネジが固着しており少々てこずりました。
リアのブレーキシューは交換時期に近づいている。
 
車体の雰囲気は、まあまあいい感じになってきました。
ただ、どうも、このフロントカウルとインナーレッグシールドの勘合がイマイチで、隙間が空いてしまう。
オリジナルで付いていたフロントカウルの取付けネジが段付きワッシャーを使用していなかった事からフロントカウルを広げる方向に力が掛かり過ぎていて、そのままクセが付いてしまったのではなかろうか?

と、いう事で、フロントカウルを外し、内側にクセを付ける為にベルトで縛りハロゲンヒータで暖めてから、そのまま冷却した。
プラスチックは熱可塑性という特性があるそうで、それを利用したつもり。

で、結果は、勘合は若干良くなり、隙間は減りましたが充分ではなかったようです。見た感じではフロントカウルだけで対応するには限界があり、インナーレッグシールド側も広げる方向で修正しなくてはならないよいに思えました。
が、確信には至らないので、この部分の勘合はこれでヨシとします。
車両も完成したのでオーナーに「納車出来ますよ、次の週末辺りは如何でしょう」と連絡を入れたら、土曜日ではなく日曜日を指定してきた。

(2009/09/26)
ふむ、それならば土曜日が使えるので、モトメンテナンス誌に載っていた、プラスチック溶接に挑戦してみよう、という事になった。
対象は、メットインボックスと一体になっているバッテリーボックスのタブの修理である。


私はプラスチック修理には瞬間接着剤やプラリペアを使い分けてきたが、私の経験では瞬間接着剤でも直せるが、恐らく強度不足で直ぐに折れてしまうであろうし、プラリペアは強度充分であるがポリプロピレンには使用できない。メットインボックスはポリプロピレンです。

モトメンテナンス誌は定期的に購読しているが、そのなかでマキシ工作室というコーナーで、プラスチック溶接、溶着の特集記事があって、それほど難しい事は無く私にも出来そうだったのでやってみる事にした。

必要な物は半田ゴテだけ。あとは溶接棒。
溶接棒といっても、溶接対象の母材と同じ種類のプラスチックの細い棒というだけの事です。


ヒンジの壊れたメットインボックスの淵をカッターで削ぎ落としたもの。
早い話がこれが今回の溶接棒です。

ポリプロピレンといってもメーカーにより若干のレシピの差が有ったりするから、今回の私のようにオリジナルの物から溶接棒を作るのは推奨される方法らしい。
自分に実績の無い事に関して懐疑的になるのは当たり前の事で、私も本当にこんな方法で強度は出るのか?と不安な要素もありましたので、細い溶接棒をメットインボックスに半田ゴテでチョン付けして、溶接棒を持ち上げてみたら、この通り。ある程度揺らしても溶接箇所が剥がれる事は無かった。
この辺の強度に関する感覚は文章では上手くお伝えできませんが、私はこの実験で「いける!」と思いました。
このタイラップ仕様を何とか改善せねば。。。。

タイラップってポリプロピレンっぽいけど、素材はなんだろう?
本来はこういう形状をしております。
引っ掛ける部分がパッキリと無くなっております。
ニコイチにする前に、あるべき寸法を測っておきます。
因みに高さは10mmでした。
移植するタブを摘出します。
このピースをここに溶接するのだが、、、、
残っているタブの長さは7mmでした。
溶接のし易さや強度的な事も考えて、この7mmの残留しているタブも根元から切り落とします。
タブの厚みは3mm。

つまり、このフック部分だけが折れて欠損したんだね。
双方の合わせ面を整え、合わせてみて寸法を測ります。
(裏でセロテープ固定です。)

寸法は出ました。

半田ゴテで合わせ目をチョン、チョンと当てて、プラスチックを溶かし仮固定します。
裏面も同様です。

 

ここのところガレージ仕事でも老眼鏡の出番は多くなってきた。
この作業も老眼鏡を使っていたが、一旦、老眼鏡を外した後に、再度老眼鏡を使おうと捜しているうちに老眼鏡の上に尻餅を付いてしまった。

でも、私は怯まない。我が家には100円ショップで購入した老眼鏡が10本以上ありますので。
溶接棒を使いながら肉盛していきます。
両手で作業しているので、溶接棒を半田ゴテで溶かしている画像はありません。

今回、私が用意した(持っていた)半田ゴテは2種類。
1本はダイソーで300円で購入した20Wのものでビットの先端は尖っている物、もう一本は20年以上前から持っている物で外国製でワット数の表示がない物だが使った感じでは20〜30Wくらいと思われる、ビットの先端は円柱を斜めに切ったような(竹槍状)形状のもので、使ってみたら、この竹槍形状のものが使い易かった。

実際にやってみると、母材の上に溶接棒をあてがい、その上から半田ゴテを当てて溶接棒を溶かしながら、そのまま押し付け母材まで溶かす、というのがイイ感じのような気がした。
この溶接だが、接触面の外に肉盛した部分だけでくっついている状態になるのでは?との心配があったので、所々で3mm幅の接触面を貫通するように半田ゴテを当てて、開いた穴を埋めるように溶接棒を溶かしていった。
内側も同様に溶接していきます。
軽くヤスリを当てて表面を整えました。
モトメンテナンス誌では、最後の仕上げにノミの小さなもので表面を削って整えていましたが、ウチにはそういう道具も無く、カッターでは角度が合わず、ヤスリを当てる程度の仕上げしか出来なかった。
何より、対象物が車両に実装された状態で作業したので作業姿勢が限定されてしまったのも良くなかったかも知れない。
一旦、メットインボックスを単品にした方が、作業性は格段に良かった筈である。
しかし、強度に関しては、触った感じでは、かなりの強度が出ているみたいです。
瞬間接着剤では有り得ない感じです。
   
こちらも同様に軽くヤスリを当てて表面を整えました。

ちょっと、この方法は、私にとっては、目から鱗が落ちた、状態です。
今まではプラスチックパーツが割れた場合は、諦め率が高かったですが、今後は諦め率が下がりそうです。

今回、メットインボックスのシートのヒンジ部分が割れてしまっており、欠損部分も無かったですが、もし欠損部分があったとしたら、溶接で直せていた可能性が高いです。
今後はプラスチックパーツを割ってしまっても破片は取っておこうと思いますた。
バッテリーカバーも正規の方法で取り付ける事が出来ました。
それほど見える場所でもないし、頻繁にバッテリーカバーを外す事も無いでしょうから、タイラップ留めでも、オーナーは文句を言わなかった可能性も高いのだが、、、まあ、私の自己満足かな。。
タイラップはお役御免です。
実は、車両引渡し前にテスト走行もしておかねば、と2009/09/25に片道約12Kmの勤め先まで、この車両で往復した。
50ccとはいえ、ゼロ発進は中々イイ感じ。音も静か。全体的に悪くは無い。

が、しかし、リアサスペンションのダンパーが効いていないような気がする。(多分、フロントには最初からダンパー機能は無いと思われる)
ユニットスイング式というリアのバネ下加重が重たい車両がゆえなのか?ギャップを踏んだ後のバウン、バウン、が中々収まらない。
50ccのリアサスペンションってコレくらいダンピングが緩いものなのでしょうか?
制限速度30Km/hだから、コレくらいでも良いのかな?とも思えるのだが、でも60Km/h出る車両なんだよねぇ。

と、話は変わり、コノ写真。

まあ、塗装後のハロゲンヒータによる熱入れの時からその兆候を感じてはいたが、往復24km走行後はこんな感じで火膨れしました。見ていて気持ち悪いですね。
この火膨れは熱いと柔らかく、冷めると固くなるという特性です。

 

この辺も、火膨れてます。
今までの経験上、耐熱塗料の黒はもっとも塗装が簡単と思っており、今回も吹いたまでは良かったが、まさか熱を入れたらこうなるとは。。。
耐熱塗料選びも今まで失敗した事が無かったので、銘柄には一切気を使っていませんでしたが、今後は気をつけていこうと思います。
この辺もねぇ。。
大変心苦しいですが、今回はコレで納車させて頂きます。
次回、何かのついでに塗り直しの再チャレンジをさせてもらおうかと思います。
この部分の勘合が悪いのも少々気になる点。

原因はハッキリしておりサイドカウル側のタブが3本折れているから。
ここも、プラスチック溶接で直そうかと思いましたが、欠損部分を作る為と溶接棒に使うための適当なABS樹脂が見つからなかった為、断念。
リアサスのバンプラバーと思われる部位が、輪っかが裂けて”C”になって、ダンパーユニットの外側に嵌っている気がします。
まあ、大きな問題でも無いとも言えるが、バンプラバーが裂ける程の何か(大ジャンプからの着地とか)をした事のある車両なのだろうか?
この辺と、私が感じたダンピングが効いていない、という印象とは、何か関係があるのかも知れないなぁ。
最後の仕上げで気になっていたのがココ。
以前付いていたネジが錆びて、その錆が固着してしまった物と思われる。
範囲が広いのでネジを取り付けても隠れきらない。
こういうのを見過すと車両の仕上がりの質感に関わるんですよね、小さい事ですけど。
この錆は中々しつこくて、極細のコンパウンドだけでは落ちずに、細目のコンパウンドでようやく落ちた。
まあ、綺麗になりました。
「GARAGEささを」の受付嬢コンビが邪魔をしにきました。

この後、再度仕上げのポリッシャーをかけた。
以前ポリッシャーをかけたのは夜でしたが、やはり日の光の下でやらないと細かい部分の見落としがありますので。。

で、最後の最後は洗車。
ポリッシャーでワックスをかけると、外装の淵や合わせ面の溝にワックスの固まりが残るので、高圧洗浄機で吹き飛ばします。

洗車に始まり洗車に終わる、、、基本かも知れない。

で、普段は、なかなか洗わないシートの裏とかもガッツリ洗っておきました。
エアーで水分を飛ばし、カラ拭きして、キッチリと乾燥させた後に、メットインボックスのインナーをセットして作業は完了。
仕上げのポリッシュが効いているみたいで、結構輝いていますね。
ハード25の仕上がりもいい感じですね、今度自分の車両にも塗布してみようと思います。


2009/09/27に納車致しました。


「時間が掛かっても良くて、催促無しなら」という条件とはいえ、2009/05/31〜2009/09/27までの4ヶ月間も待たせてしまいスイマセンでした。

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