「ささをの身体修理?」(2004/年末)

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12月10日(金)
会社の帰りに、以前一緒に仕事をしていた方々との焼き鳥屋での会合がありまして参加。この日、私はスクータで来ていたので、もちろんアルコールの摂取はしていません。会合の後に、2次会として、何故か喫茶店へ、、、甘い物とコーヒーで2次会を済ませて、皆と別れてスクーター(250cc)で帰路に着く。
自宅まで、あと数百メートルの住宅街?の片側1車線の道で時間も22:30頃だったので交通量も少ない。
と、左の民家周辺から急に猫が私の走行している車線の真ん中に飛び出してきて、立ち止まった。
私は、飛び出してきた時点で、制動操作には入っていて、車線の真ん中で立ち止まられた時には、このまま最短で急制動が成功したとしても猫にはぶつかってしまうだろうと、身体が自然に何とか猫を避けようとブレーキングしながら若干右方向に流れようとしたら、フロントが軽くロックしたので右レバーをリリースするも、その段階でリアも滑っていて(フロントのロックも素直に解除されなかったような気がする)、車体も右側に結構速く傾いたので、この段階で転倒は覚悟。
私は、何故か?というか、意外と、というか、コケそうになった時って頭の中は冷静だったりします。
ですから、今回も猫の飛び出しにはビックリしましたが、その後の回避行動に入ってからは、まあ冷静だったような気がします。
ですから「こりゃ転倒するな」というのも、一つの見積りでした。

転倒の途中で右足を地面に着いた、スクーターはバンク角が浅く、直ぐにガリッとセンタースタンドが接地、その直後くらいからか?バイクは倒れて滑り始める。
この、滑りが、なかなか止まらない。
今から考えると、どうやら、プラスチックパーツで包まれたスクータは転倒すると、良く滑るようだ。
この辺が予想と違っていた為?形の上ではボテゴケ+α くらいを想定していた私は、身体全体としてスライディングする準備が出来ておらず、先に地面に着いた右足が、スクーターの滑りに引き摺られるような形になってしまい、全体としては股裂きのようになっているのに、足の甲が内側(アスファルト)に巻き込まれるような形になってしまって、このままだと、ちょっとした逆関節技を掛けられているような感じなので、「膝がイッてしまうなぁ」、などと考え、膝を曲げようとは思いましたが、履いていたスニーカーのグリップが良すぎて膝を曲げる事も出来ずでした。
自然に、股裂き状態から倒れないように前のめりに右手を地面に着いたが、こちらも少々引き摺られた。

もっと早くにバイクを放り出せば、、、、というか、自分から転がって被害の小さい受身をとる体制にすれば、よかったのでしょうが、前述のような体制だと、まだ頭の位置もそれなりに高く、身体も起きているので、被害の少なさそうなスライディングが出来ずに、身体が変に回転して大怪我しそうだったので、直ぐにバイクを投げ出す事が出来ませんでした。
というか、今から考えれば、スクーターが滑っている、この状態は普通のバイクの転倒よりも車体が起きていた状態なので左足がステップボードの中央の膨らみ部分に引っかかって、すんなりとバイクと身体を離すことが出来なかったんじゃないかとも思う。

最終的にはバイクと身体は離れて、私の身体は軽くシリモチを着いてお尻を中心に180度回転したくらいでフィニッシュでしたが、スクーターはまだ数メートル滑ってましたね。

何となくココまでの話は長そうですけど、転倒開始?から、ほんの1〜2秒の出来事の事です。

膝がイッちゃったかも、と少々不安でしたが、普通に立ち上がる事が出来て、膝の屈伸しても特に問題なし、痛みも大した事なし。猫を引っ掛けていない事を確認して深呼吸。
近所の女の人が窓から顔を出して、「大丈夫ですか?」と聞いてきたので「ええ、大丈夫です、猫が飛び出してきたもんで、、」と回答。
バイクは反対車線で倒れていて、ヘッドライトをこちらに向けている。

バイクを起こして、軽くバイクの状態をチェック。右レバーの先端が折れていて、転倒による外装の傷以外は特に問題なさそう。
セルを回しても直ぐにはエンジンはかからなかったが、転倒後にはよくある事なので、セルを回し続けるとエンジンは掛かった。
既に落ち着いてはいたが、バックミラーをいつもより念入りに調整しながら、さらに自分を落ち着かせてから、走り出した。

ウチに帰って、優しい?奥さんに転倒した事を報告。

部屋の明かりの下で、自分の身体の被害の再検証。右手の掌に擦り傷、右膝も軽く裂傷程度。。。あとは、膝の筋が軽く伸びたくらいかな、と、思っていた。
手袋も穴が開いていた、履いていたジーパンの膝も擦れていたが意外と大した事はなかった。

ウチに消毒薬と適当なサイズのバンソウコウが無かったので、ウチの優しい?奥さんが24H営業のドンキホーテまで買いに行ってくれた。
買って来てくれたキズアワワとガーゼで処置をして、保冷剤で膝を冷やした。

スニーカーは右足のソールの内側が、さぞや削れているだろうと思ったが、ソールの内側の損傷は大した事がなく、逆に甲の部分が擦れて、紐も千切れていた。アスファルトに引き摺られて、そこまで巻き込まれていたと言う事だろう。もっとも、本当に足の甲が路面に触るような形だとしたら、恐らく膝の関節が粉々になっている筈なので、靴は大きく巻き込まれたが、中味の足本体はそこまで巻き込まれていなかったのだろう。

この日は、保冷剤で膝を冷やして寝ることにして、日曜日にひかえている、GSF-ML&BOC合同HMSオフミに気持ちよく参加するために、翌日の土曜日に病院に行ってレントゲンの1枚でも撮ってもらって、「問題ないですよ」の一言をもらいに行こうと、優しい?奥さんと話していた。

12月11日(土)
翌日の午前中はBフレッツの工事に立ち会いまして、午後から優しい?奥さんと車で病院に、、、
あまり病院にはお世話になった事のない私は、昔、私の母親が息を引取った病院くらいしか知らなかったので、そこに行ってみると、整形外科は土曜日は午前中のみ、との事で、車に戻ってナビで他の病院を探すと、もっと自宅に近い病院を見つけることが出来てそこに向かう。
整形外科専門の病院で、待合室には人が沢山いた。しかも平均年齢は相当に高い。

この段階でも翌日のHMSに参加する気満々で楽しみにしていた。
喫煙所のスタンド型の灰皿をニーグリップしてみて、「うん、問題ない!」などと確認作業も行っていた。
今日は病院で「問題ないですよ」のお墨付きを頂くだけにきたようなものだから。。

物凄く待たされた後に、ようやく私の診察の順番が回ってきまして、私が事前に書いておいた初診のアンケートの内容を見ながら「バイクで転倒ですか、、、単独ですね?」と、先生が聞いてきたので「まあ単独なんですけど、飛び出してきた猫を避けようとしてなんです」などと、状況説明をしてから、症状の説明。
「膝は捻ったので多少は痛いが、大した事はないが、膝下に外側への力を加えると、カクッって、取れかかるようなイヤな感じはします、筋を伸ばしちゃったみたいで」と、医者の前で自己診断も交えて症状の説明をする。
お医者さんは私の膝を触診しながら「カクッって、取れそうな嫌なかんじねぇ」と呟いて、その後「これ、膝の内側の靭帯切れてるますよ!」とはっきりと言われてしまった。

私にとっては「靭帯」とは、今まで一度も痛めた事のない部位であり、「スジ」ならともかく「靭帯」と言われると凄くおおごとのような気がした上に、「切れてる」という中間的な状態表現ではない、余りにも白黒がはっきりした表現に凄くビックリした(^○^)

この日、私が受容できるお医者さんからの言葉の限度は「ちょっと・スジを・伸ばしてしまったようですね(^。^)」だったので、「靭帯が切れてる(・_・)」はレッドゾーンぶっちぎりの、ビックリ状態でした。
ビックリしつつも私の体内で「靭帯が切れている」などと、大事が発生しているとは直ぐには信じられず、心の中で「ウッソー」とも言っていた。

お医者さんは、「まず切れているのには間違いないでしょうが、レントゲンを撮って詳細を見てみましょう。」との事。
心の中でウッソーを叫んでいる私にとっては、レントゲンは願ってもない事で、本日の私のシナリオは「レントゲンを撮って大丈夫のお墨付きをもらう」の筈だったのだから。。。
少なからずや、誤診じゃねーの??とも思ってましたからね。

「レントゲンは、ストレスをかけた状態でないと、本当のところが見えてこないので、怖いかもしれませんが、カクッって、取れそうな嫌な感じのする方向に力を加えた状態で撮影させて頂きます」との事で、私にしてみれば拒否権がありそうで無いし、「はい」と了承して、覚悟を決めるしかないわけだ。

レントゲン室に行き、ストレスの掛からない状態で2枚撮影して、ストレスの掛かる状態で1枚撮影した。ストレスの掛かる状態とは、仰向けになっている私の右足を先生が持ち上げ、 膝外側側面を押しながら足首を外側に引っ張るというもので、本来間接は、そうは曲がりません、と言う方向に力を入れられる。痛くはないのだが、膝から下がカクンと取れてしまいそうで怖かった(・_・;)
レントゲンの結果は、ストレス掛からない状態では特に問題なし、とはいえ膝のお皿にササクレているところが発見されたりしましたが、今回とは無関係の古傷でしょう、との事。ストレスを掛けた写真では、膝上の骨と膝下の骨の隙間が均一ではなく、靭帯の内側が損傷しているからこうなるんだ、と、膝の模型を使って丁寧に教えてくれた。

んで、足を固めて動きを制限しておかないと、くっつこうとしている靭帯がくっつかなくなるから、ギブスで固めてしまいましょう、、あと、今回はレントゲンでしたが次回は靭帯の状態を詳細を調べる為にMRIも撮りますから、こういうケースではMRIはギブスで固めて動かない状態にして撮影するのが普通なんです、との事。

若干待たされた後にお医者さんと看護婦さんとでギブスを巻く作業に入った。ギブスをつけるのは我が人生で初めてだが、バイクに乗る人間だけあって、過去に友人のギブズ姿は何度も見てきたが、(大)昔は石膏だったが、最近は包帯のような物を水にぬらして、固定するべきところに巻きつけて乾いて硬化したら出来上がり、というのがあり、今回の私のギブスも後者の濡れ包帯方式だった。

過去友人が、この濡れ包帯方式のギブズを付けられていた時に、この素材には注目していた。バイクのカウルとかの補修に使えそうだからだが、まさか自分の身体がこいつのお世話になるとは思わなかった(・_・;)

ギブスを巻かれながらの会話:
先生:「こんな風になるんなら、猫を轢いてしまった方が良かったとか思っているんじゃないですか?」
ささを:「いえ、痛い目にあっても猫を轢かなかった自分を少しは褒めてやっても良いかな、なんて納得しようとしてますね」
看護婦:「私だったらこんな痛い目にあうんだったら、絶対に轢いちゃうわ」
先生:「コラコラ、ささをさんが納得しようとしている時に、そんな事言わないの!」
看護婦:「だって、この間の人も猫を避けて、骨折った人いたじゃないですか、あの人はそれでも猫を引っ掛けてしまったとか言っていたし、猫を避けようとした人って結構痛い目にあっている人が多いし、、、」
ささを:「そうなんですか?」
看護婦:「そうなのよ、、、、、、、、、、、、、、、、、、

と、この後、猫を避けようとして怪我をした人の事例を何件か聞かされた。この病院が救急病院ではないというのにも関係はあろうかと思うが、傾向としては普通の?事故よりも猫を避けた人のほうが、怪我の度合いがひどかったりする場合が多いらしい。
私も猫を避けようとして、亡くなられた方がいたとしても不思議はないだろうと思う。
また、今回は、猫を轢かなかった自分を少しは褒めてやっても良いかな、とは思うのですが、これは心情的なものであり、とっさに「轢いてしまえ!」と思うような自分よりはマシなのではないか?という程度の話であって、人から猫が飛び出してきたらどうしたら良いか?と問われれば、テクニカリーには、とにかく自分の身体を守る事を優先させる努力をするべき、と言いそうな気がしますし、きっとそれが正解なのではないかと思います。

ギブスも巻き終わり、先生から「松葉杖を出しますから、待合室で待っていてください」と言われ、診察室を出たら、待合室には優しい?奥さんがいて、私の変わり果てた姿を見て、相当驚いていた。
私からの第一声は「GSF-ML&BOC合同HMSオフミの幹事にキャンセルの電話をしておくれ!」だった。

その後、松葉杖の使い方をレクチャしてもらって、病院を出たが、この病院に着たのが13:00頃で病院を出たのは17:30頃と、随分長い時間病院にいたことになる。とにかく待ち時間が長かった(-_-;)

しばらくはギブスと付き合わなくてはならないので、何かと不自由になるので、その不自由さに慣れる必要がある。痛みは大した事は無いが、右膝が曲げられないだけでこうも不自由になるものかと驚いた。松葉杖はイマイチうまく使えない、というか上手く使えている状態だと歩行スピードがかなり遅いので、あっという間に使わなくした。痛みも大した事は無いので松葉杖なしで、右膝を固められたまま、そのまま歩くことにした。この方が松葉杖使うよりも早くあるける。

ウチに帰ってから、90リットルのゴミ袋で、右足を包んでガムテープで固めて防水してシャワーを浴びたりもした。何がどれくらい不都合になるのかは早めに確認しておいた方が良いですからね。でもシャワーを浴びるだけといっても中々に大変ではあった。


12月12日(日)---
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ギブスを付けられた翌日、すなわちギブスで固められた右足の生活に全く慣れていない段階での話です。
 
動いていた物が拘束され動かなくなる、動かなくなった、という条件は頭の中では理解しているが、生活習慣とは身体に染み付いた物であり、中々に戸惑う。例えば曲げられない右膝を持っている場合、階段を下りる時の一歩目は右足からとなるが、階段を上る時は逆に左足を一歩目にしないと上手くないのですが、これは理解はしているものの階段を目の前に軽くどっちからだっけ?と悩んでしまったりしてしまうのです。
 
ギブスを付けられた翌日、桶川駅前のマクドナルドで 優しい? 奥さんと大阪から出てきたYOJIRO@GSF−MLさんと私とで朝マックをしようという事になり、マクドナルドに入る前からお腹の調子がシクシクしており、マクドナルドに行ったらトイレに行こうと考えていたので、注文は奥さんに頼んで、私はトイレに向かったが、このマクドナルドは雑居ビルの一角という事もあってか、マクドナルド専用トイレではなく共同トイレだった。
実は、マクドナルドに到着する前にコンビニエンスストアに寄ったのだが、そこではあえてトイレを借りなかった。何故ならば過去、コンビニでトイレを借りて洋式であったためしがなかったので、右足の自由が利かない私にとっては洋式でないと用をたせないからだ。
一方、マクドナルドは洋式が多い。そんな期待を胸にマクドナルドに入った筈が、雑居ビル内の共同トイレ方式に気が付いた段階で、嫌な予感はしていたがトイレの個室の扉を開けてみて、ガーン!、、、やっぱり和式だった。
和式だからここは諦めて別の場所で、と、言うわけにもいかない私のお腹の事情もあった。マクドナルドでトイレをしようと心に決めていた私のお腹は気を緩めていたので、陣痛間隔もかなり短くなって既に秒読み段階に入っていた。
私のお腹はNASA開発の制御システムが入っている訳もなく、秒読みに入ってしまってから、やっぱ中止、という訳にもいかないので、右足ギブスのまま和式にチャレンジする事となる。
 
ズボンを下ろして、左足だけで、しゃがみこむ。右足は伸びたまま固められているので、右前方に投げ出す格好になるのだが、個室の右前の角に右足の先端が当たる。
この状態で私の爆弾投下口と目標たる便器との位置関係を確認するも、正しい目標を明らかにロックオン出来ていない。明らかに便器に対して爆弾投下口は左にずれている。このままでは便器の淵を越えてタイルの床に投下してしまいそうだ。
これを修正する為に、投下口の位置を右方向に修正しようとしても、既に個室の右前の角に右足の先端がつっかえているので上手く位置調整が出来ない。
幸いにも?和式トイレは流線型のカウル(日本語では金隠し)の前にパイプが立っているので、そこを両手で掴み腕力で投下口の位置を右方向に修正を試みてみたら、かなりの腕力を使うものの何とか目標をロックオンできる事が判明。
 
体重を左足一本で支え、左右方向の調整を腕力に頼るという、かなり難易度の高い作戦だが、もう後には引けない。
「お前になら出来る!」と、自分に言い聞かせ、爆弾投下開始。
左右方向の位置調整の為に、目の前のパイプを右手で押し左手で引っ張る、右足がつっかえ棒状態になっているので、左右方向の位置調整に伴い左ひざを少し伸ばし少し身体を浮かせる形になるが、この位置が体重を支えるにはかなりシンドイ角度となる。
全身の筋肉に力が入っている中、爆弾投下口の筋肉だけを緩めるという神業をしなくてはならないので、一瞬の気の緩みも許されない!
 
爆弾投下、、辛い体制の中、目標命中を目視確認後に腕の力を抜き、ホームポジションに戻す。「だぁ〜っ!」とトイレ全体に響き渡る大きな溜息が漏れる。どうやら作戦行動中は息をしていなかったようだ。あらためて、この作戦の難易度の再確認。
作戦終了、、、、と、思いきや、踏ん張っていた左足、両腕の筋肉が作戦を一気に終わらせるだけの持続力が無く、急遽作戦を2回に分けて行うことにした。(というか、1回完結は無理との判断をした)
 
既に、左足、両腕の筋肉の疲労はピークを迎えていたと思われるが、もう一度の爆撃が必要である。
ホームポジションで腕の筋力の回復は多少期待できるが、若干、楽になるとはいえ、左足の疲労回復は望めないので、早めに第二次爆撃を行う必要に迫られていた。この辺の状況分析力と判断スピードの早さは我ながら流石!と褒めてやってもいいだろう。
 
間隔をあけずに、第二次撃開始。
左足と両腕の疲労は第一次爆撃で相当なレベルに達していたようで、第二次爆撃開始直後より照準がかなりブレたが、この第二次爆撃で全てを完了させなくては、もう次はないのだ!と、自分に言い聞かせ、途切れつつある筋力を精神力でバックアップする形で、爆弾投下。。。。。。
爆撃成功!! 
「だぁ〜っ!」という大きな溜息と共にホームポジションに戻す。
 
大きな溜息をしたという事は、、、出した分だけ吸わなきゃならず、結果として爆弾投下直後に深呼吸している訳なので、相当に不愉快な筈なのだが、この時ばかりは作戦成功の達成感が不愉快さを超えていた。
 
一次爆撃で100%の力を出し、二次爆撃で120%を搾り出せた自分を褒めてやっても良い。
腕も左足もピクピクと痙攣しているが、大きな達成感だ。。
 
あとは、爆弾投下口の清掃をペーパーで行うだけなので、ペーパーに手を伸ばそうと脳では考えたが、、、、手が出なかった。
両腕と左足はホームポジションを維持するだけで精一杯になっており、右手をパイプから放してペーパーに手を伸ばす事すらレッドゾーンぶっちぎりの難易度となっていたのだ。
「おうちに帰ってお母さんに、ただいま、を言うまでが遠足」なように、爆撃も爆弾投下だけでは道半ば、拭いてこそ完結だったと、自らの思慮の浅さを反省。
 
ここでも、時間を取って反省していると筋力の消耗が進むので、瞬時に右手をパイプから離して、ペーパーのロールに手をやり、ロールを回転させ、瞬時に右手をパイプに戻して身体を支える。一回だけではロールは余り回転しないので、コレを何度か繰返す。
客観的に見ると、ロールに対してボクシングのジャブの連打をしているような状態だった。
適量ペーパーがロールから解けたところを、同じく目にも留まらぬ速さのジャブで千切り、右手やらホッペと肩やら口やらを使って折りたたみ、左肘をパイプに引っ掛けて思いっきり引き付け身体を前傾させた状態で右手で拭く、というのを、辛かったですが、こういう時こそ念には念を入れて4回繰返しました。
 
体力を170%を使いココまできた。もう、まともに立ち上がるだけの体力も余り残っておらず、後ろに倒れ込みかかりながら何とか立ち上がり身なりを整え、爆弾を水に流し、ヘロヘロになりながら手を洗い、200%の体力を使い作戦は完全終了。。。 
 
こんなに、体力と精神力を使って用を足したのは生まれて初めてだったと思う。
右足をギブスで固められていると言うことは、こんなにも不自由なのかと痛感した出来事であった。
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12月13日(月)
前回の初心の時にレントゲンは取ったものの、詳細を調べる為にMRIの撮影を行った。
撮影には45分くらい掛かったが、私本人はベッドに寝ているだけなので、45分中、40分は眠っていた。

12月18日(土)
MRIの検査結果を先生から聞くことが出来た。
MRIとはテレビなどで見て知っていて、身体を輪切り状態で見ることが出来る凄い機械というのは客観てきな知識であるが、、、
いざ自分の足の輪切りや縦割り切りの写真を見せられると、その場でそのように切られいる分けでもないのに、痛そうな顔で撮影写真を見ている気が付いた。
MRIとは水分の多いものを白く、水分の少ないものを黒く写すそうな。
写真を目の前に先生は細かく説明してくれたが、どうやら靭帯は完全なる断裂ではなく損傷と言うことらしい、また、今回の靭帯の損傷に伴っての事らしいが、半月板も傷んでいる事もMRIの画像から見て取れるらしいが、こちらの傷みの度合いの詳細の検査は靭帯がくっついた後でないと出来ないらしい。

12月21日(火)
靭帯をくっつける為には患部を動かさない方が良いらしいが、いつまでもギブスで膝を固めていると、膝そのものが固まってしまい調子が悪いそうで、この日、ギブスを取って関節付きの装具に変えてもらった。
ギブスを外す前に、先生から「ギブスを外した経験はありますか?」と聞かれ、「付けたのも今回が初めてですから、当然外したこともありません」というと、先生が手にしている道具(見た感じは大き目の電動リュータの先端に丸ノコの刃のようなものが付いている)の刃を手の平に押し付けながら「コレ、身体は切れませんから、刃は回転せずに硬いものを振動で切る道具ですから」との事。とりあえずの使い道は思いつかなかったが、何となくこの道具が欲しくなった。
この道具でギブスの内側と外側を切って、パッカリと割ってギブスを外した。10日ぶりに私の右膝は外気に触れた。
外れたギブスを手で持ってみると、相当軽い事に驚いた。軽い事は知ってはいたが、ギブスを付けての10日間、特に会社で働いている時に午前中はあまり重さを感じないのだが午後はずっしりと重さを感じていたのでね。また、ギブスをつけていると身体全体が疲れやすいという傾向があることも感じていたので、軽いギブスも重たく感じていたんだろう。
看護婦さんが、バケツにお湯をためてギブスで隠れていた足を洗ってくれた。
次に、部屋を移って新しい装具の装着なのだが、急にギブスを外された右膝というか右足全体は、頼りない事この上なく、おっかなくて膝も曲げる事が出来ず、ほんの短い距離の移動にも時間が掛かってしまった。
新しい装具は、膝の左右側面にプレートとヒンジが付いており、膝の左右方向の動きを規制してくれて、本来の膝の動きは妨げないもので、ギブスよりもかなり自由度の高いものだった。
また、自分で脱着可能なので、お風呂なども随分と便利になった。


 

 

 

1月8日(土)

 
12月25日以来、病院の年末年始休みを跨いで、担当のお医者さんがいる初めての土曜日に今年初の通院。
 
お医者さんから調子はどうですか?と問われ、「痛みは無いんですが、時折、右膝の関節の収まりというか噛み合いといいますか、、が、悪くなり違和感を感じる事がありますが、つま先を真っ直ぐ前に向けて、ゆっくりと屈伸すると、噛み合いが良くなったりしています」と回答。お医者さんは「うーん、ささをさんねぇ、やっぱり半月板も痛んでるねぇ、前回のMRIの映像でも、その兆候は出ていましたけど、今日聞いた自覚症状からいっても、間違いはないと思われます。MRIで画像で内部を見られると言っても見れる詳細さには限界があり、今後半月板の詳細な検査をする必要があります。検査の方法は膝に潤滑成分と造影剤を注射して、かつ、空気を入れて撮影します」との事。
私は、我が身の事ながら、内部で発生している事態を自覚症状だけでは、どんな風になってしまっているのか?が良く分かっていないので先生の話をマジマジと聞いていた、ら、先生はその態度が不安そうに見えたのか(実際に不安ではあったが)? 何かを察したかのような態度の後に「あっ、ささをさん、大丈夫ですよ、検査の時に入れた空気は検査の後には抜きますから」とな。 確かに不安感はあったが、入れた空気はイチイチ言われんでも抜いてくれる事くらいは想像はついていた。 この先生、患者を思いやる気持ちはあるようだが勘は悪そうである。 思いやる気持ちが薄くて勘の良い先生よりはマシか?いや?、勘の良い先生の方が最終的には良いのかも。。。。
 
また、この、膝に空気を入れての検査は膝を捻るようにストレスを掛けての撮影だそうで、まだ靭帯が完全にくっついていない状態でストレスを掛けると、折角くっつきかけている靭帯を痛めてしまう可能性があるので靭帯の治癒が進んでからでないと、出来ないのだそうな。
 
2月5日に、この検査が出来るかどうかの判定の診断をすることになった。(2月5日までは病院には来なくてよいとの事)
 
この、膝の詳細な検査の結果、半月板の損傷状態が悪い場合は、膝に2箇所穴を開けての内視鏡手術をすることになり、その場合、2週間の入院と退院後2週間は松葉杖生活となるそうな。うーん、おおごとだ。
 
不思議な事に?半月板の手術は絶対必要というものではないような事も先生は言っておられた。もうあまり動き回らない老人などの場合、手術の負担を掛けるよりも痛んだ半月板をそのままにしておく事もあるらしい。もう、半月板に負担を掛けるほど動かなくなるからなのだろうか???
 
いっぽう、脚はちゃんと直しておかないと老化が早くなるというのは整形外科での常識らしく、私も年齢40を過ぎた身であるので「老化」と言われて、そう遠くない将来に自分の身に起こる現象であるという受け止め方ができる年齢になってしまった。なにせ江戸時代の平均寿命は50歳くらいだったそうだから、今の私の年齢だったら、そろそろお迎えを待つ準備を、し始めてもおかしくない訳です。
 
その「老化」とやらが早くなる、と、言われれば、脚は完治させておきたい、と、単純に思う。
 
しかし、2週間の入院と退院後2週間は松葉杖生活はちょっとキツイ。。
が、やはり、貧乏人の資本は身体であるから、治しておかねば、とも自分に言い聞かせる。
 
余談ではあるが、今年の草野球のシーズンは棒に振ってしまう事になりそうだ。
膝の負担を考えると、まず守備にはつけない。 バッティングは何とか出来そうだが(バッティングセンタで確認済み)草野球で指名代打制があるわけも無く、仮にあったとしても、走塁がまともに出来そうに無い。となると、打った打球はホームランにしなくてはならない事になる。 今まで2塁打までしか打った事がない私が急にホームランが打てるようになるわけも無く。。。まあ、今シーズンは野球の試合には出られないであろう。
 
もともと草野球チームの中での私の存在は「秘密兵器」などと呼ばれており、どことなく聞こえは良いのだが、「出来るなら最後まで秘密にしておきたい(出場させたくない)選手」という文字通りの意味だそうな(・_・;) 従って戦力的にはあまり(全く?)期待されていない立場なので、膝の故障がチームの戦績に影響するとは私も含めて誰も思っていない訳で、、、。
 
但し、ここ数年の我が草野球チームの高齢化及びそれに伴う社会的立場の複雑化(及び家庭内のゴタゴタ)などなどにより、試合に参加する人数を集めるのが困難になってきている。昔は練習への参加は躊躇されても、試合となると人は充分に集まっていたが近年は試合すら微妙である。
そうなってくると、「秘密兵器」こと、私、ささをは、試合を成立させる為の9人目の選手となる事が多くなり、ゲームの勝敗以前に大切な役割を果たしているのである。
 
「今度の試合なんだけど、今のところ、あんまり人数が集まんないんだよなぁ」などと聞くと、少なからずや「秘密兵器」の態度は大きくなったりしている(^○^)
無論、結果的に10人以上メンバーが揃う場合は、「秘密兵器」の態度は速やかに小さくもなる。
「秘密兵器」は、プレー以外なら、変幻自在の柔軟性を持ち合わせているのだ。。。(^○^)


 
2月5日(土) 

約1ヶ月ぶりの通院である。

この日は半月板の精密検査を行えるか否か?を判定する日。
診察室に入りベッドの上に寝かせられ、先生は私の右足を持ち上げたり回したりと間接の動きを確かめながら、違和感、痛みを感じたら言ってくれ、との事。
私は取り立てて大きな痛み大きな違和感は無かったので、この一月の膝の状態に対しての自覚している内容を先生に伝えた。
「前回通院時からこの一月間は、傷めた右膝内側に痛みは若干残っているが、日々その痛みは少なくなっていて、回復しているんだなぁ、と実感する指標になっている。 前回、時折右膝の関節の噛み合いが、悪くなり違和感があると言いましたが、今はそういう症状は出ていません」と伝えた。ら、先生は「ご苦労様でした、もういいですよ」、私は「はぁっ?その、半月板の検査とか手術とかはしなくても良いんですか?」と聞いたら、「膝の噛み合いが悪いという症状がなくなったのであれば、とりあえずその必要は無いでしょう。」との事。私自身体のどこかに不安を残しておくのは嫌だ、という思いもありましたが、一方で日に日に良くなってくる膝の状態を感じて、痛かったり違和感がある状態から手術などをするのならまだしも、既にさして痛くなくなった状態からの手術というのは損をした気分になるだろうなぁ、などと思っていた。加えて手術をした場合の2週間の入院と退院後の2週間の松葉杖というのもサラリーマンとしてはなかなか調整が簡単ではない、というのもある。MRIの検査で半月板が損傷しているのは確実なので私から先生に、「精密検査&手術をして下さい」と申し出る事は出来るのだが、そういう事はせずに精密検査&手術をしない事に同意した。
 
「スポーツとかしても大丈夫ですかね?」と質問してみたが、「いきなり激しい運動をせずに徐々に慣らしていって下さい」との事でしたので、何とか今シーズンの草野球にも何とか出場出来そうでなによりである。

 

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