「SkyWave250(CJ41A)レストア&修理」(2004/春&夏)

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●2004年 5月

新たにレストア?ベースの車両を手に入れました。
走行距離50000Km乗りっぱなしの250ccスクーターを譲ってもらいました。状態はそんなに良くないですが、ビッグスクータ好きの私には新たに迎え入れるには嬉しい代物。。
ちょっと見ただけでも、シート(背もたれ)の破れ、スピードメータが動かない、パーキングブレーキが効かない、フロントフォークのダストシールが錆びで捲れ上がっている、などなどなど沢山目に付く所はありますが、私らしく「壊れているのなら、治せばいーじゃん!」なのである。。
この手の作業は趣味では無いが毎回何かしら学ぶ事があるので向上心はくすぐられるネタです。。

まあ、具体的な作業に取り掛かる前に、やっておかなくてはならない事が、幾つかある。。。サービスマニュアル&パーツリストの入手もその一つ。今までの実績からそういったものが無くても、ある程度、修理や整備はできますが、この辺を舐めたりケチったりすると後で大きな代償を払いそうな予感がするから、この条件はいつも満足させている。既にパーツリストは安いものをネットオークションで落札済み。。サービスマニュアルはネットオークションには今日までのところ出ていない。。。サービスマニュアルって意外と高価でとても定価で買う気はしないから、少し長い目でネットオークションをヲッチするしか無いかもしれない。

などなど、事前の準備にも余念が無いようにしなくてはならないのだが、名義の変更もしなくてはならない。


●2004年 6月頭

そこで、04年6月2日にGSFの車検の為に取った休暇を利用して、この日の午後に名義変更を行った。
元のオーナーが変わった苗字の人で、100円ショップではハンコが購入できそうも無かったので、「1日間オイラに貸してもいいミトメ印はあるか?」と聞いたら、あっさりと「無い」と言われてしまった。仕方が無いので、ネットで調べて「ハンコ卸売りセンター」なるお店が鶴見の森永の工場の隣にある事を知り、そこでハンコを作ってもらった。費用は360円でその場で機械彫りで15分くらいで出来上がるのにはちょっと驚いた。また、元のオーナーのややこしさはミトメ印を貸してくれないだけに留まらず、書類(正式には軽自動車届出済証)まで紛失していた。元のナンバーは相模ナンバーだが書類さえあれば横浜の陸運事務所で名義変更すれば、私の住所に合致した横浜ナンバーを発行してもらえるのだが、書類が紛失となると相模の陸運事務所まで出向いて廃車にするなり書類の再発行をしなくてはならない。んで、わざわざ相模の陸事まで行って書類の再発行をしてもらい、その後、横浜の陸事まで行って、名義変更して新しい横浜ナンバーを入手しました。
この日は結局、GSFの車検から始まって、川崎の陸事=>相模の陸事=>横浜の陸事と、神奈川県下の陸事ツアーをした事になります。


●2004年 6月

250ccスクーター(SkyWave CJ41A)レストアプロジェクト

私のレストアのテーマは、車両を譲ってくれた元のオーナーに対して、「くっそー!譲らなければ良かった」と言わしめるくらいに再生する、なのです。また、これが元のオーナーに対しての礼儀とさえ思ってしまっていたりして。。
 

◎外装
まずは外観ですが、7年間乗りっぱなしで洗車もまともにされていなかった塗装面はツヤも無く、くすんだ状態。過去2台のKSRの塗装をしてきた実績からすると、その時のノウハウを活かして全塗装したい欲求は山ほどあるのですが、塗装は手間がかかるのと臨時とはいえ環境を整えるのが大変、まあこの辺は、ヨシとしても、材料費が高い上に、250ccのスクーターとなると塗る面積が凄く大きいので、予算的に諦めました。。
その代わり先日ダイクマに行ったときに定価12000円するポリッシャーが3980円で売られていたので、こいつを購入して鏡面仕上げワックス↓でスクーターの塗装面を磨いてやることにしました。
その為に外装を一旦車体から全て外すんですが、これが大変、通常のバイクに比べてもビスやクリップの多さは尋常ではありません。いままで車両整備にそれなりに経験を積んできた私でさえ、再度組み立てられるかが心配になっている程です。

外した外装を、風呂場に持ち込んで、マジックリンとブラシで綺麗にして、、というか、ここで重要なのは砂落としですね、ポリッシャーをかける時に砂と一緒に磨いてしまっては元も子もないですから。一週間くらい、 毎日、自分が風呂に入るときにパーツ2,3点を風呂場に持ち込んでシコシコとパーツを洗っていました。
また、外装内側に取り付け用のボスが立っていますが、これが何本か折れていたので、洗浄後、プラリペアで修復。プラリペアは以前から使っていますが、少量で1700円もして高価ではありますが、接着という言葉を超えて、プラスチックの再建といえるくらいの強度で修復できるので良い材料です。
この手の修復後に、外装に付いている転倒痕などの深い傷はタッチアップペイントを塗って修復、、、本当は深い傷はパテとかで段差を埋めてからタッチアップした方が良いのでしょうけど、タッチアップペイントの色がオリジナル塗装とあまり合っていないし、付属のハケ塗りの仕上がりなんてどうせ、たいした事無いだろうから、傷の面に1000番のペーパーを軽く当てて傷の凸を落として、凹はそのままにしてタッチアップした。
タッチアップが乾いてから鏡面仕上げワックスとポリッシャーで磨きましたが、オリジナルの塗装は一皮向けて、これでかなり綺麗になりますが、タッチアップした所は、磨いた後の光沢感がオリジナルの塗装部分とは質が異なってしまい、ワタシ的には、どうも満足出来ないが、、、、今回は安く上げるのがテーマだからと、納得する事にする。スクーターには未塗装のプラスチック外装パーツも多いですが、こういうパーツも紫外線劣化で本来黒いパーツが白く粉を吹いたようになってしまっていましたが、この辺は取り外して洗浄後にカーポリメイトで拭いてプラスチックを黒々と光らせました。。が、カーポリメイトって雨とかにさらしたり、洗剤で洗車したりすると落ちてしまいますので、これは一時の満足でしかないことは分かっております。
ポリッシャーの威力はかなりのもので、あれだけの量の面を自分の手で磨いたら相当大変な筈ですが、今回はポリッシャーのお陰で随分と楽をして大きな成果が出せました。塗装面だけに限らず、テールランプのプラスチックとかも磨いてみましたが、とても7年前間使い込んだパーツとは思えないくらいピカピカに仕上がったりします。
我が家の一部屋はこれらのスクーターの外装パーツに占拠されておりました。
細かなパーツ待ちでまだ組み付けが出来ないもので。。。


スイマセンが、以下、画像と本文があまり合っていません(-_-;)
 


そして、素っ裸にされた、車両本体は、、、、

◎フロントフォーク
まずは、フロントフォークのダストシールがサビで、めくれ上がっていたので、新品パーツに交換。。交換する時に気が付いたが、スクータは普通のバイクとは結構構造が異なる。普通のバイクなら三又のアッパーブラケットとアンダーブラケットを貫通する形でフロントフォークが取り付けられているが、スクータは何とアッパーブラケットが存在せず、アンダーブラケットにだけフロントフォークが固定されているという構造なのである。構造のイメージとしては自転車みたいな感じ、とでも言ったら良いのかな? 剛性や強度の低そうな構造である。 また、普通のバイクならブラケットのボルトを緩めれば下からフォークが抜く事が出来るが、このスクータはそれが出来ない。 フォーク最上部のキャップがフォークの直径よりも大きくツバのようになっているので、フォークのキャップのボルトを外してからでないと、フォークを抜くことが出来ない。これは三又のアッパーブラケットが無い代わりにフォークのキャップも強度部材として利用しているのではないかと推測しているが、恐ろしくメンテナンス性の悪い構造である。加えてこのキャップを外す為の工具が通用使わない大きなヘキサゴン(内6角のやつね)ときている。サイズはボルトで言えば17mmサイズである。こんなヘキサゴンレンチなんて持っているわけも無く、購入するにしても高いだろうから癪に触るので、島忠ホームセンターに行って、ステンレス性の17mmのボルト&ナットの2本セット280円を買ってきて、ボルト1本にナットを2個組み付けてダブルナットで回り止めをして、そいつをフォークのキャップボルトに突っ込んで、通常の17mmのラチェットソケットで、キャップボルトを外してやりました。
それにしても、凄く整備がし難くかった。今回は外装を外せるだけ外した後でさえやり難かったので、完全な状態からフォークだけをメンテしようとしたら、難易度は跳ね上がるだろう。。

苦労の末、フォークを外して、ここまでやってダストシールの交換だけというのももったいないし、キャップボルトも外している事ですし、フォークオイルの交換も行った。
フォークオイルを抜くが、その時に、インナーチューブを上下してピストン運動をさせて中のオイルを全て抜き出すのだが、何度か勢いよくピストン運動させていたら、フォークのうち1本が縮んだ状態から伸びなくなってしまった。。どんなに力いっぱい伸ばそうと思ってもビクともせず、結局フォークを全バラすることにした。全バラして分かったことは、オイルロックピースが、しょぼいプラスチック製で、他の内部のパーツに嵌まり込んでいたのが原因であった。、、、こいつを外してやって問題は解決。オイルシール打ち込み用のスライデイングハンマーも無いのに全バラにしてしまったが、スライデイングハンマーが無くとも交換前のダストシールを利用してある程度打ち込んだ後は、マイナスドライバで円に沿って少しずつ打ち込んでいけば何とかなるものであった。
フォークオイルはスズキの10番指定だが、ウチのガレージにはシルコリンの15番しか在庫してなかったので、こいつを入れてやった。フォークの組み付けは前述の構造的な問題で超イライラしながらのものとなり、やたらと独り言が増えながらも、何とか完了。

◎タイヤ
タイヤも丸坊主状態だったので、ネットオークションで前後8600円で購入。サイズは純正でフロント110-90-13 リア130-70-13だ。タイヤの組み付けもまたしても自前。バイクが完全な調子なら140km/h くらいのスピードの出る車両であるが、バランスは取らなくても大丈夫だろうか?の心配もあったが、知り合いのミニバイクレースをしている人の話ではNSR80のレーサーは140km/hくらい出るが、あまりバランスを気にせずに自分たちでタイヤを組んでいる、との話を聞いたので、取り敢えずバランスはホイールのバルブとタイヤの最軽量点を合わせる程度に留めた。乗って不都合があるようなら次回からはバランサーのあるショップに頼めば良いだろう。
タイヤ外し&組み付けはKSRの実績があるので大分手馴れてきたが、今回気が付いたのは、扁平率が高いタイヤの方が組み付け易いし、ビードも乗せやすい、ということ。今回で言えばフロント(扁平率90%)はかなりすんなり組みつけられたし、その状態から単純に空気を入れるだけでビードも乗っかったが、リア(扁平率70%)は組み付けも厳しかったし、単純に空気を入れただけではビードが乗ってくれない。ショップなどではビードを乗せる為に、大容量のコンプレッサーを使用していたり、バルブのムシを抜いて勢いを殺さずにエアーを入れるので漏れる量より入れる量が多いのでポンポンとビードを乗せられるが、私の場合は、コンプレッサーのパワーは小さいし、ムシを抜く道具も持っていないときている、から苦労する。知り合いで、ストマジのレースをしている人がいて、数週間前にその人と話す機会があり、素人メンテのノウハウ披露合戦になったのだが、その時にレースの現場でタイヤ交換をする時にビードが乗らない時は、車両をトランスポータに乗せて固定するときに使うラチェット式タイダウンベルトで外周を締め上げてから空気を入れるとビードが乗り易い、との話を聞いた。話はなるほど、と思って聞いていたが、私はラチェット式タイダウンベルトなんて持っていないから、取り敢えずは無縁のテクニックかな、と思っていましたが、スクータのリアタイヤのビードがあまりにも乗らないので、スーツケースを丸ごと締めるベルトがあったので、ラチェットは無いものの、このベルトで人力で締められるだけ締めてから、空気を入れたらあっけなく、ポン!っとビードが乗っかりました(・。・;   素人のノウハウ恐るべし!!
◎スピードメータ
譲り受けた段階でスピードメータは動作していなかったので、調べてみると、この車両はメータそのものはアナログメータなのに、機械式ではなく電気(磁気)式であった。従って前輪からはワイヤーではなく、電気信号を伝えるためのケーブルが出ている。前輪を外してスピード検出用のセンサの中を覗いてみると、円筒状のパーツに本来であれば突起が2個、円の対辺にあって、ホイールの回転と共に回転して1周で2回信号を出すようになっている筈と思われる構造をしていたが、肝心の突起が2個とも粉砕していた。どうもこの円筒状のパーツそのものが磁石で、フェライト(?)のように硬い物質なので割れやすそうだ。前のオーナーの話では今までに1,2回は同じところを修理してもらったが、しばらくするとまた壊れる、と言っていた。まあ、こんな構造&材質では壊れるよなぁ、、と、思いつつも、他にチョイスが無いので、この筒状の磁石のパーツだけを注文しようとしたら、この部位だけのパーツ発注は不可能で、スピードセンサーのアッセンブリーでしか購入できないとな。。仕方が無いからアッセンブリーで注文したら何とお値段は7000円超。。。高すぎるぅ〜
本当は非接触の電気、磁気のセンサーを採用したのには、機械式に比べ半永久的な寿命やメンテフリーとかを狙ったんでしょうけど、頻繁に割れるようなパーツであったり、パーツ価格が高かったりするのでは意味無いじゃん、と思ふ。普通の機械式だったらメーターワイヤが切れたってパーツ代は1000円位ですむんだから。。プンプン。
などと思いつつ、手元に届いたスピードセンサアッセンブリーを見てみると、筒状の磁石パーツには樹脂コーティングがされておりました。市場からのクレームにより?対策パーツになっていたようです。。

◎骨格の洗浄
丸裸にされたスクータは7年間の汚れが付いていて汚いので、パーツクリーナ&マジックリン&中性洗剤でガッツリ洗って、大量の水で汚れを洗い流してやった。。
あまり、大掛かりな水洗いは良くないだろうが、7年間に1回の大仕事だし、まあ良いでしょう。骨格や内臓はこれで随分と綺麗になりました。錆とかもそんなにひどくは無く、フレームには問題なし。

洗浄前にエンジン周りに油汚れが、結構付いていて、どこからかオイルがにじんでいるのかも?と思っていたら。。。
◎エアークリーナ
エアークリーナーは4ストでは珍しい?湿式タイプであった。エアークリーナボックスの蓋を開けると、スポンジ湿式タイプのエアクリーナがお目見えする、それを取り外すと、目の粗いプラスチックの格子がありその下に目の細かい金網があるが、プラスチックの格子が歪んでいた。 またエアークリーナボックス内に量は大したことないが茶色い液体が溜まっていた。
エアークリーナボックスにはクランクケースからのブリーザが繋がっているから、茶色い液体が溜まる可能性はあるが、その正体は概ねエンジンオイルの成分の筈だから本来はあまり問題にしなくても良いが。プラスチックの格子が歪んでいたのはちょいと気になる。オイルの成分でプラスチックが歪むとも考えにくく、極端な高温にさらされるような部位でもないので、あまり考えたくは無いが、キャブがオーバーフローしてエアークリーナーボックス内にガソリンが溜まった事が過去にあった可能性がある。。
洗浄前にエンジン周りに油汚れが、結構付いていてどこからの油汚れか分からなかったのは、エアークリーナーからのガソリンだった可能性も出てきた。


うーん、今回のレストアメニューにはキャブのオーバーホールは考えていなかったが、オーバーフローの疑い&痕跡がある以上、キャブのオーバーホールもやっておくかなぁ。。。パーツ交換無し(ガスケットは別)の洗浄程度ということで。。。
◎キャブレター
その後、元のオーナーと連絡を取り、過去やたらにエンジンが掛かり難かったり、エンジンを掛ける努力中にバックファイヤを発生したりした経験がちょくちょくあったそうな。これはオーバーフロー確定だからキャブもバラすのは確定となりました。恐らくタンクからのガソリン供給を受けるチェックバルブが固着気味なんでしょうね。。。

◎各種ワイヤーグリスアップ
地味なメンテではあるが、やっておいて損の無いメンテである。このスクーターは外装を付けてしまうと、ワイヤーが外装の内側に隠れてしまいメンテしにくいので、今回のように丸裸にした時にまとめてきっちりやっておくべきだろう。パーキングブレーキワイヤ、リヤシート開閉ロック用ワイヤ、アクセルワイヤなど、キジマ製(だったと思う)のワイヤインジェクタを使ってワイヤの中までグリスを行き渡らせた。このワイヤインジェクタなる工具も昔から使っているが、確か700円程度の安い工具ではあるが、便利で非常に重宝している。ワイヤ内にまでグリスを行き渡らせるにはコイツしかない!っといった感じである。
ただし、今回アクセルワイヤだけはグリスアップは上手くいかなかった。途中に調整機構があって、その機構の隙間からグリスが漏れてしまうので。。。まあ、動きが重いわけではないからヨシとしましたけど。今回ワイヤに使用したグリスは何にしようかと考えましたが、水との親和性が低そうで、ちょっと固めのZOILチェーンルーブにした。。。
◎キャブレター分解
前回の予告どおりに、キャブを車体から外して、分解してみた。しかし多くのオーバーフローの主原因になりやすい、ガソリン供給側のチェックバルブには固着は認められなかった。チェックバルブに連動しているフロートにも破損は認められなかった。
オーバーフローの原因になりそうな部位はこの辺にしか無いはずなのだが??やはりオーバーフローではなかったのか??
折角、バラしたのだからと、各種ジェット類を外して、うちのガレージに在庫のあったキャブクリーナーで細かく洗浄。洗浄して気が付いたのは、キャブレターのメインボアの内壁に薄っすらと黒い汚れの付着が認められた。やはり、オーバーフロー等での異常燃焼による吹き返しによるススなのだろうか?
キャブクリーナにはいろいろな種類があるようだが、今回使用したのはなかなかに強力なものらしく、匂いもきついし、肌に付着するとヒリヒリした。説明を読むと本来はキャブレターを装着したままエンジンを掛けた状態で、メインボアに噴射して燃焼室で一緒に燃やしながら燃焼室のカーボンも除去するというものらしい。今回のように細かく分解したパーツに噴射して、というのには、使用の仕方が違うが、なかなかの洗浄力で特に問題は無かろうと勝手に判断する。
洗浄する際に、受け皿を用意しておいて、スプレー洗浄後のキャブクリーナーを受け皿に溜めて、ジェット類はそこに付けおき洗いもしておいた。スクーターのキャブレターは普通のバイクと違った配慮で設計されている。外気温やチョークを効かせたり効かせなかったりに関わらず、回転を上げ過ぎないように工夫されている。自動遠心クラッチの場合、通常のバイクのようにチョークを利かせて回転数が上がってしまっては、バイクが走り出してしまうからだ。この辺の配慮の為に、ほとんどの場合がオートチョークとなっているのも特徴だろう。以前、ホンダのフュージョンを所有していた事があったが、こいつのキャブはオートチョークの為にキャブレターにタコ足のようにゴムパイプが付いており、外観からも相当に複雑な感じで、完全にバラしたりするのを躊躇させたし、実際に全バラはしなかった。(バクダンキットを組み込んだ事はあったが)フュージョンなどに比べれば、今回手をつけているスカイウエーブ250は設計が新しいせいか、キャブ周りはシンプルである。オートチョークの構造もキャブ本体は普通のバイクと変わらず、チョークバルブそのものが温度センサと連動して動作する電気式のものになっている。また、これもスクータとしての設計の配慮なのだろうが、電気式のキャブレターヒーターも付いている。。あと、機械式の加速ポンプまで付いているのはちょっと笑った。。。本来加速ポンプは急激にアクセルを開けた時のツキを良くする為のものでしょうが、オートチョークを補完するための機構でもあると思われ、多分このスクータの取扱説明書には外気温が低い場合の始動方法にアクセルを1,2回急に開けてからセルを回してください、みたいな事も記載されているんじゃないかと想像している。
キャブはキャブクリーナーで洗浄後、キャブクリーナーをパーツクリーナーで洗い流し、エアーコンプレッサーで乾かしたが、エアーコンプレッサーの風圧でそうなったのか、バラした時点でそうなっていたのかは定かでないんですが、ダイアフラムのゴムに穴が開いていたのを発見。。ダイアフラムは負圧式キャブレタではキモになるパーツなので当然交換しなくてはならない。車種によってはダイアフラムとスライドバルブが分離できるものもあって、そういう構造だとダイアフラムだけ購入できて安いのだが、スカイウエーブはダイアフラムとスライドバルブが分離できない構造なのでお値段は4000円也、、、高い(・_・;)
まあ、パーツの損傷を事前に発見できた事は良かった。お金が掛かるのはある程度仕方が無いだろう。

ダイアフラムのゴムが損傷していた事と、キャブのオーバーフロー疑惑は構造的に結び付かないと考えているが。。。

折角キャブレターまで外したのだから、と、ついでに吸気マニホールドまで外して、エンジンの吸気ポートを懐中電灯で照らしながら観察してみた。そしたら、吸気バルブも肉眼で確認できるのだが、そこに付着している汚れがどうも不自然に均一ではない事に気が付く、やはりオーバーローによって、吸気ポートにガソリンが流入して汚れの一部を洗い落としたりしてたんじゃないかとも思える。
本当はしてはいけないのだろうが、吸気ポート内の汚れのマダラさ加減が気になったので、余っていたキャブクリーナーを吸気ポート内に噴射しておいた。恐らく吸気ポート、吸気バルブだけに留まらず、隙間を伝わって燃焼室内にも浸透して、潤滑成分を洗い落としてしまうだろうが、パーツが揃ってエンジンを掛けられるようになったら、何かしらの潤滑スプレーで吸気ポート内の洗浄とプラグを外して燃焼室にも潤滑スプレーをしてから、ある程度セルのみでクランキングしてからエンジンを掛けるようにすれば大丈夫であろう。その直後にフラッシング&オイル交換する為の材料もすでに調達済だし。。。
こうなると、排気側もやりたい気分になってくるが、、、、、どうしよう。。。
◎サービスマニュアル
ここまで色々と車両をいじくりまわしているからには、既にサービスマニュアルは入手済なのだが、当初、気長にネットオークションで安いものが出てくるのを待つつもりでいたが、なかなか出てこないので待ちきれずに新品を購入してしまった。。。お値段は8000円。。高価ですねぇ。。。我が家の大蔵省には、
ショップに修理やメンテに出したら8000円の工賃なんてすぐに取られてしまう事を考えれば、すべて自分の手でやる事を前提に考えその為に必要な8000円は高くは無いと、説明しておいた。
この理屈には嘘は無いが、それにしてもマニュアルって高いよねぇ。


◎パーツ購入
バイクのメンテや修理をする際に、どうしても純正パーツの購入が必要になりますが、私は納期や価格などを考えて、近所のショップに注文したり、ネット通販を使用したりと使い分けていますが、このネット通販では元々「佐藤部品」(http://s-parts.netoffice.ne.jp/)を使っていましたが、この1年間くらいは「パーツ大王」(http://www.mc99.co.jp/mvp/member/new/)も併用していましたが、最近になってパーツ大王の方が純正パーツを一律10%OFFにしてくれるようになりました。私の様に自分でほとんど修理&メンテする人間には有難い限りです。
近所のバイクショップの場合、パーツセンターからパーツが配達されるのが週2回程度で、かつ、土曜日、日曜日にパーツセンタからの配達はされませんので注文のタイミングが悪いと待たされる日数が多くなったり、します。また、余程馴染みのあるお店でないと、お店に出向いて注文&代金先払いが原則です。
その辺のタイミングを読んだり自分がお店の営業時間中にお店に出向けるか否かを勘案しつつ、急ぎでパーツを入手したかったりした場合は送料が掛かったとしても通販でパーツを注文します。最近はカワサキのARK店などでカワサキの純正パーツを注文すると、注文パーツを打ち込む端末の通信料と称して1オーダー当たり200円も取られますので、注文から受け取りまで2回お店に出向かなくてはならなかったり、通信料まで取られるくらいなら、通販の方が良いケースも少なくないです。その上、一律10%OFFにしてくれるところも出てきてますからね。パソコンバンキングが出来るのも通販には便利です。超急ぎで欲しいパーツの場合は「代引き」にして追加料金はあるものの、入金確認のステップが飛ばされるのでかなり早くパーツを入手できますし、何かと便利です。
通販の場合は配達はだいたい佐川急便かクロネコヤマトが多いですが、パーツの注文時に時間指定とかも出来ますが、私は最近時間指定してないです。会社帰りに不在通知が届いていたとしても、最近はだいたい不在通知にドライバーの電話番号が書かれているので、そこに電話すれば22:00くらいまでは配達してくれるので、これも便利です。
 

●250ccスクーター(SkyWave CJ41A)レストアプロジェクト

7月10日、11日頃の作業内容です。

◎エンジン
結局、キャブレタークリーナーを買い足して、インテークポートや、プラグを外して燃焼室内や排気ポートにまでキャブレタークリーナを噴射した。インテークポートから見えるバルブは相当綺麗になった。燃焼室や排気ポートは構造的(目視し難い)に効能確認が出来にくい場所なのでどれくらい効果があったのかは定かでない。
付けおき洗い的に、噴射後暫く放置してから、エアーコンプレッサーでインテークポート、排気ポート、プラグの穴など全ての穴からキャブレタークリーナを飛ばして、全ての穴に潤滑剤(ZOILスプレー)をたっぷり拭きつけ、その後、プラグを付けないままセルモーターでクランキング、、、、凄い荒業をやってしまったが、特に問題はなさそう。ラフロなどでやっている本格的なエンジン内部丸洗いとは違うけど、気分的にはすっきりする。
早速エンジンをかけたいが、以前お伝えしたようにキャブレターのダイアフラムのゴムに穴が開いているので、新品パーツを注文したがまだ、手元に届いていないのでキャブを組み立てられない。。そこで、ダイアフラムの穴を瞬間接着剤で埋めてみたら、何とか使えそうなので、取り敢えずキャブを組み上げてエンジンに実装して、エンジンを掛けてみたら問題なくエンジンはかかる(^○^)。残っていたキャブクリーナーを本来の使い方通りエンジンを回しながらキャブレターに噴射して、更なる洗浄を行う。
エンジンが温まったところで、オイルを抜き、生まれて初めて買ったフラッシングオイル(ZOIL含有のもの980円)を注入して、エンジンをかけて10分くらい回して、フラッシングオイルを抜き取り、ストレーナを外して洗浄&組み付け、オイルフィルタ交換後に、エンジンオイルを注入、今回はモチュールの5100にしてみた、粘度も10W-40と少々柔らかめのもの、250ccシングルで水冷だから、固目を入れてもあまり意味がないでしょうから、あとZOILの小瓶も追加した。。
オイルはフィルタ交換時で2リットル入るとサービスマニュアルには記載されていたので、1L缶2本を注入し(少しだけ残してももったいないから)、その上ZOILまで入れたら、オイルがアッパーリミットぎりぎりになってしまった。。まあ、大丈夫でしょう。。

ここまでやった日の夜に新品のキャブレターのダイアフラムが届き、組み付けた。

◎外装取り付け
本当に苦労しました。。
自分では外したのと逆の手順で順調に組み上げていたつもりだったんですが、ある程度形になったところでメータユニットを取り付けようとしたら、メーターは他の外装よりも先に付けないと取り付けられないことが判明、、、折角取り付けた外装を再度取り外したりしてかなりの作業ロスをしてしまった。例えばメーターが壊れたからとショップに交換を依頼したとしたら、殆ど全ての外装を外さなくてはならないので、工賃は凄い事になるだろうと思ふ。

◎ブレーキランプ
ようやく試走できるくらい組みあがったので、各部の点検をしていたら、ブレーキランプが動作していない事に気が付く。この年式の車両でも既にライトは常時点灯式なので、テールランプも常時ONな訳だが、ブレーキレバーを握っても変化なし、、、最初はブレーキランプが点灯していないのかと思ったが、よくよく見るとテールランプは元気の良い輝度で点灯している。。ブレーキランプが点灯していないのではなく、逆に点灯しっぱなし状態でした。あちらこちら点検していたら、左ブレーキのマイクロスイッチのレバーリリース時に押される部分(プラスチック)が、磨耗して短くなってしまい、レバーをリリースしても押し切る事が出来ずにOFF状態に出来ていない事が判明。。。(後から考えれば、エンジンを掛ける時にブレーキレバーを握ってなくてもセルが回っていたなぁ)応急処置で、ブレーキレバーのマイクロスイッチを押す部分にタイラップを巻いて、押し込むストロークを増やしてやって解決。
近いうちに、この磨耗したマイクロスイッチも新品に換えてやろう。。

◎試走
ようやく、試走できる段階まで来た。。報告し切れていない、細かく多い色々な作業をしてきたが、ようやくである。。
走ってみると、特に不都合もなく、エンジンは快調。フロントサスペンションも指定よりも固目のオイルを入れたが、全く問題なく、しっとりしていて良い感じ。。リアサスは1G’での沈み込みが結構あ り、乗り心地は悪くない。が、バンク角を稼ぐ為に、後ほどイニシャルを最強にして車高を少し上げてやろうと思う。
この車両は、輸出もされているモデルのせいか?結構大柄な人を想定してのポジションのような気がする。私の身長(168cm)だと、もっとハンドルが手前か、バックレストが前か、にして欲しいところである。フットレストの立ち上がる部分も随分と前にあるから短足の私には踏ん張り難い。。
ちょっとの、試走のつもりが、調子が良いので、エンジンの上の方の伸びを確認したくなって、第三京浜へ。。
特に問題も無く、エンジンは快調であった。

◎スプリットファイア
試走後、既に購入済みの新品プラグを取り付けていない事に気がつき、プラグの交換を行った。新しいプラグはスプリットファイアの白金バージョンだ。
GSFでの高性能プラグによって?痛い目にあったというのに懲りない私である。
でもね、このプラグは耐久性とかは分からないけど、効果は感じられた、エンジンのパルス感が交換前よりはっきりして、ほんの少しとはいえパワーが出ているような気がする。
単純に古いプラグと新しいプラグの性能差だけの話かも知れないですけどね。

◎ブレーキランプ(その2)
またしてもブレーキランプがつかなくなった。。今度は本当に点灯していない。。テールランプは点灯している。
取り敢えず、マイクロスイッチまわりを調べるが、問題なし、この車両はテール/ブレーキランプは電球2個を使用しているので、2個同時にブレーキランプ側のフィラメントが切れる可能性は低いと思え、こりゃ配線のどこかに異常があるのかな?と思いつつ、大きな溜息が出た。。。なぜなら、配線をチェックするには漏れなく、外装の脱着が付いてくるからだ。。。。
付随する大きな作業量にを覚悟しつつも、念の為に電球のチェックをしてみた(というか諦めが悪かっただけだが)。見た感じではフラメントは切れていない、そこで電球にデコピンを食らわしたら、2本のフィラメントの内、1本が崩れ落ちた、、、もう一つの電球も全く同様でした。
ラフロに行って2個セット460円の電球を買って取り付けたら、ちゃんとブレーキランプが点灯するようになりました。
難しく考えるより、点灯しないのなら電球から疑えば良いのね。。しかし2個同時とはねぇ。。。

◎◎ 残務 ◎◎  7/16以降に実施予定

@前後ブレーキのパッドを新品に交換 (部品は手配済み)
最近の大型スクータにありがちな、左レバーで前後連動でブレーキが効く構造になっており、フロントキャリパは異径4ピストンの対向だが、パッドは独立しており、2枚ではなく4枚である。左レバーを握るとリアキャリパーのピストンとフロントの小さい方のピストン(対向2個)が動作し、右レバーを握るとフロントの大きい方のピストン(対向2個)が動作するという仕組みになっている。左ブレーキの連動の設定は、なかなか絶妙で、直線での急制動などでは威力を発揮する。ただ単純に油圧を分散しているのではなく、中間にバルブ機構を設けてリアを少し先に効かせるようにしているようです。通常の走行だけなら左レバーの制動力だけでも充分そう。でも、連動しているが故に使えない、もしくは使い難いライディングの小技もあったりするので、微妙な気分ではあります。左レバーの制動力が充分なせいか、使用頻度が高いらしくフロントの分離されているパッドを見ると、左レバーに連動しているパッドの方が右レバーに連動しているパッドよりも減っていた。一つのキャリパー内でパッドの減り具合が異なるというのもあまり気持ちの良いものではないが、、、。仕方が無いでしょう。

Aブレーキフルード交換(多分フルードは在庫があると思う)
どちらかというと、こちらをやっておきたいから、パッドを新品にするような感じである。
減ったパッドでフルードを満たすと、あとで新品パッドを入れるときに、ピストンが戻りきらない事があるので、私は極力、パッドを新品にした時にフルード交換をするようにしている。左ブレーキレバーとリアキャリパーまでの距離が結構あるので、一人で作業するのは、やり難そうだ。。

Bマフラーの錆がひどいので、錆落としをして耐熱塗装(耐熱塗料は手配済み)
本当は程度の良いマフラーを安く落札したつもりでいたが、届いたものが、車両に付いていたのと大して程度が変わらずガッカリ。。。結局、錆を落として耐熱塗装する事にした。
ちなみにビッグスクータはアフターマーケットのマフラーに交換してしまう人が多いらしく、ノーマルの程度の良いマフラーが1000円〜4000円くらいでネットオークションに出ています。但し高年式のものに限ります。私のスクータは年式が古いので、安いけど程度が凄く良いというのは、あまり無いようです。

Cシートのバックレストの破れ補修
そのままにしておくと雨を吸って中のスポンジが腐ってきますので、補修用生地を買ってきて、修理予定。

 

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